2007年06月11日

止まらない

2年ぶりに見るサグラダ・ファミリア。

R0013013.JPG R0013003.JPG

工事開始から今までの時間を思えば「たった2年」と言ってもいいはずなのに
その僅かな時間で確実に大きくなっている。
真新しい真っ白な塔が増え、内部の装飾も進んで一層美しい。
本来は献堂式を済ませなくては教会は神の家には成り得ないのだけれど
この大聖堂に限って言えば、たゆまず建設が続けられ
常に成長し続けている樹木のようにそこに立っているだけで
教会としての役割を果たし得ているのではないだろうか。

時の権力者ではなく、一人の建築家が描いた巨大な塔が
貴いリレーのように多くの人々の手を経て形造られていく過程は
何度見ても奇跡としか思えないほどの美しさに満ちている。



サン・ジュゼップ市場の中で
魚介類盛り合わせがたまらなく魅力的な店を見つけて、昼食。
火を通す前に「これからこいつらを焼きますよ」と
いかに新鮮な素材かを大皿に山盛りにして見せてくれて
それを目の前の鉄板で焼き上げてビールとともに出してくれる。
味付けはシンプルに、オイルと塩胡椒、パセリ、ニンニク、レモン。
店内にある加工食品といえば飲み物とサラミとピクルスくらいで
それ以外のものは全てその場で原材料からてきぱきと調理しているので
口に入る物としてはこの上なく安心できるし、見ていて気持ちが良い。
もちろん美味なのは言うまでもない。
貝殻も皿も猫のようにぴかぴかに舐めてしまいたいくらい。
サービスで出てきた自家製オリーブの酢漬けも小粒ながら絶品。
そして店員さんの一人が三谷幸喜に酷似!



食事を済ませて一同解散。夕食まで各自自由行動ということになり
海岸に向けて歩き出したランブラス大通りにてエドワードに遭遇。
歓声を上げて駆け寄ったら髪を少し切ってくれました。
もちろん一緒に写真も撮ってもらいましたよ。

R0013016.JPG

2007年06月10日

再び、ピレネーを越え

学生時代の二大後悔を挙げるならば語学と旅行。次点が映画と読書。
持て余すほどではないにせよ時間があり
金はなくとも学割その他もろもろの特権があり
利用できるものがそこらじゅうに転がっていた4年間。
とはいえ、後悔が後悔として疼くのは、例えば現役の学生さんと話していて
「いやー語学は頑張っておいて損はないぜー?」などと偉ぶってみる時くらいで
取り返しのつかないことをした、とまで悔やむ必要は実際のところ、ない。
6月、二度目のバルセロナへ行くのを皮切りに
この夏もお金と体力の続く限り動き回ろう、と決める。



親しくお付き合いさせて頂いていたNご夫妻が6月末に帰国するので
それまでに皆で一度旅行に行こう、と計画が始まったのが半年前。
半年かけて旅行の準備をするなんて
私にしてはとても珍しいことだったから
万難を排して旅行に臨むための努力は惜しまなかったつもり。

直前に急ぎの仕事が入り、その上ひどい風邪を引いて
動けなくなった時にはどうなることかと思ったけれど
毎日少しずつしか仕事を進められなくなってしまったことが
結果的に幸いしたのと、キティの尽力の甲斐あって
こつこつと地道に仕事をするのが本当に苦手な私としては
これまた珍しく、どうにか着地させた上で旅立つことができました。

出立前の荷造りも完璧なら、部屋の掃除も完璧。
おろしたての靴もぴったりと足に馴染んで、天気は快晴。
こんなにも軽やかに旅を始められるなんて、初めてのような気がします。



初日は昼前にフライブルクを出てフランクフルトへ。
ルフトハンザに揺られること2時間でバルセロナ。
2年ぶりの赤い大理石のロビーも、茶色い山肌も、海の匂いも全部嬉しい。
夕暮れの港を見ながら食べた貝とパエリアの美味しさに
ただただ満たされてゆく思い。
また来ることを切望していた場所を再び訪れることが出来る。
また見ることを切望していたものに再び相見えることが出来る。
欲望こそが私を支えている、という事実とともに
烏賊墨に染まった米粒を咀嚼して飲み込む。
ああ、なんて柔らかくて身の厚い烏賊なのかしら、と溜息をつきながら。

2005年07月25日

ほんとうによく食べてよく飲んでたもので

今回はなんだかよく食べてよく飲んだ話しか書いていない気がします。
それでもしつこく書きますが、この日の昼のレストランで
旅行中一番幸せな食事ができました。
メロンの生ハム乗せとキンキンに冷えたスペインワイン、極楽。



底までずっと見渡せて、波が透けて向こう側が見えるほど透明な海で
膝ががくがくになるほど泳いで、その疲労感を楽しみつつ街歩き。

タラゴナの大聖堂は、つくりはバルセロナのと似ているのですが
もっとずっと暗くて静かで、明かりが少なくて
古いタペストリーや彫像がぼんやりと並んでいて
周りの回廊や礼拝堂がまるで迷路のように入り組んでいて
迷子になって本当に出口がわからなくなって
そのうち自分と周りとの感覚も怪しくなってしまうような場所。
ステンドグラスもはるか上に丸くぽっかりと。
井戸の底から地上を見上げたならこんな感じなのでしょうか。
外の青い青い空と空気と潮風とはまるで別世界。



大聖堂から旧市街を抜けて日没の近いタラゴナを
あまりにもフラフラと歩きすぎて
あまりにもあちこちの路地裏や、お店や
壁のタイルの色にさえいちいち目を留めすぎて
「お願いだからまっすぐ歩いて!」と相方に懇願されて
スペインでの最後の夜は更けてゆきました。



ドイツに留学中なのに旅行で行った先のスペインに取り憑かれ
「本気で留学する国を間違えたと思った」と熱く語っていた友人の言葉を
旅の途中に時々思い出してはものすごく納得した旅でした。

住みたいとまではゆかなくても
一度旅行してこれっきりになるのは絶対に嫌だと思ったし
生きているうちにサグラダ・ファミリアが少しずつ出来上がってゆくのを
ほんの少しずつでも見続けて行きたいとも思いました。

次はアンダルシア地方とポルトガルまで行って
ユーラシア大陸の西の果てを絶対見に行きます。

2005年07月24日

電車で1時間半、タラゴナ

シエスタ中に到着した、静かな静かなタラゴナの街は
海に向かって真っ直ぐ伸びる大通りと
日に晒された旧市街の街並がこのうえなく魅力的なところ。
崩れかけた塀の上でネコが昼寝していたり
しっぽを立てたネコが細い路地裏の日陰を横切っていったりで
海好き、ネコ好き、路地裏好き、廃墟好きにはたまらない街です。

タラゴナ

この街でシーツを洗濯して潮風にはためかせながら干すのを想像しただけで
たまらなく幸せな気持ちになれます。

タラゴナの海

街の中にはローマ時代の遺跡が点在していて
景色もよく、海も美しく、バルセロナからの便もよく
観光・リゾート地としてはかなり有名なところなのですが
いかにも観光客を相手にした店構えのところがほとんどなく
街中のどんな店にも、どんな広場にも
必ず地元の人が腰を落ち着けてくつろぐ姿があるのが非常に好感触。
こういう街は何もしなくてもただそこに居るだけで気分よくなれます。

タラゴナ2

海のすぐ側の居酒屋で頼んだ料理すべてがたまらなく美味しくて
別に食べにくい料理でもなんでもないのに
無言で、異様に集中して、あっという間にたいらげました。

ロナウジーニョ以外のことはまるで知らない

相方のたっての希望でFCバルセロナ博物館へ。
もともと私がガウディめぐりをしたい!と強く所望して実現した旅行なので
今日はあまり深く期待も予想もせずに同行しましたが
意外におもしろく素敵だったのが古いユニフォームとサッカーシューズの展示。
100年前のスパイクってなかなか魅力的なつくりなのですよ。
機会さえあれば古今東西いろんな服飾品をチェックしてきたつもりでしたが
昔のスポーツグッズ、これは盲点でした。今後はちゃんと見なくては。

昔のスパイク

館内のスクリーンで上映されていた昨シーズンの名場面集の
あまりの驚異度に思わず2回観てしまい
ロナウジーニョのユニフォームが極端に品薄なのに強く納得し
お土産とスペイン版VOGUEを買ってバルセロナを離れました。



今、スペインでは雑誌におまけをつけるのがお約束、というか流行のようで
(この夏に限ったことではないのかもしれませんが)
女性ファッション誌には帽子やサンダルや夏物ワンピースのおまけが
男性誌にはDVDやバッグやサングラスのおまけが
お子様誌にはおもちゃやCDや子ども服のおまけが。
旅の途中にふらりと立ち寄って、暇つぶし用に気軽に買うには
どれもこれもかさばりすぎるものばかりな気がするのですが。

お値段据え置きでも要らないものがついてくるのはいやなので
消去法で選んだVOGUEのおまけは別冊メイク&スキンケア特集号。
駅のゴミ箱横でガサガサと大仰な包みを剥いで捨て、タラゴナへ向かいます。

2005年07月23日

フニクラ

街を一望できる高台までバスとフニクラを乗り継いでゆく。
フニクラとはケーブルカーのこと。
1本のケーブルに2台の車両がくっついていて
片方が急な斜面を登ってゆくと、もう片方がつるべ式に降りてくるしくみ。
車両自体が斜面の形に合わせてひし形に傾いていて
車内は階段状に座席がついているという、名前も形状も不思議な乗り物。

上まで登ると、巨大な教会と遊園地と
リオデジャネイロのような巨大なキリスト像がお出迎え。
遊園地の後ろにキリスト像というのも不思議な眺めだけれど
夜の遊園地はこの世のものならぬ場所に見えてくるし
教会は教会でどこかテーマパークのようにつくりものっぽく
下に広がる夜景と合わせて
街ごと飲み込んだ大きな夏祭りを見ているような
バルセロナ最後の夜。
教会とキリスト像バルセロナ夜景

デパ地下でくらくら

バルセロナのデパート食料品コーナーにて。

壁を埋めつくすハムの列(足1本まるごと、蹄までついたまま)にも圧倒されたけど
缶詰にビン詰、調味料、乾物などなどのコーナーが
全商品1個ずつ買って帰りたいほどかわいかった。
何がかわいいって、パッケージが目眩がするほどかわいいのだ。
昔のマッチのようなレトロなパッケージから
モダンカントリー風の小粋なパッケージまで。

中でも特筆すべきは米袋。
モノがモノだけに流石にこれは買って帰れない、けれども
やわらかなフランネル風の生地にスタンプで文字を押して
お米入れて四隅をロックミシンで縫ってあるあの米袋!
土産にするにはあまりにも重すぎるかもしれない、が、それでも欲しい!

泣く泣くあきらめてオリーブの缶詰とかお魚スープの素とか買ってみた。

食材

ここまでパッケージデザインに執着するのも一種の病気かも、と。
ムーミン谷のクロットユールと熱い友情を育めそうな気がする。

昔『たくさんのふしぎ』で読んだもの、そのまま

カサ・バトーリョ、カスティーリャ音楽堂、カサ・ミラ。
ガウディとドメネクの建築を堪能する一日。
とんでもない規模のものを観た翌日なので
素敵なものを一つずつ、落ち着いて鑑賞。

カサ・バトリョ巻き貝の天井

大きな貝殻か、でなければ海の底のような
カサ・バトーリョが大好きになる。
うずまき天井は特に最高。
青いタイルと白くて柔らかい壁と
濃い琥珀色の木材の取り合わせの虜に。

カサ・ミラ

一方でカサ・ミラは
ガウディの博物館としての機能を果たすために
後の人が手を加えた部分がとても多い気がして
外観や吹き抜け以外には心動かされる部分があまりなかったのが残念。
でも屋上からの眺めはなにものにも遮られることのない絶景でした。
サグラダ・ファミリアが今日もよく見えます。
街と空との境界面にいるのだと感じます。

カサ・ミラ屋上から



時間の都合でカスティーリャ音楽堂では
スペイン語のガイドツアーに参加。なんて無謀な。
全く説明がわからずに半分寝そうになりつつも
堂内の美麗な装飾をしかと鑑賞。
なんで撮影禁止なの、ねぇ?
フラッシュなんか焚きませんから!と嘆願したくなる綺麗さで
これがここに来ないと観られないだなんて本当にくやしい。
ガウディの建築と比べると
とても折り目正しい美しさを追求しているように思える。
オートクチュールのクリスチャン・ディオールと
プレタポルテのジバンシィの対比のようなものか。
適切な喩えかどうかよくわからないけど。



しかし、ヨーロッパの物価基準を考えたら
ここは日本か?日本なのか?と思うくらい
どこもかしこもえらく観覧料が高かったのは難。
観覧料分の価値はあると思うけれども
その気になれば大人二人がコース料理を食べられるほどの値段設定とは。

ミツロウの匂いと陰

中庭

バルセロナの大聖堂。
日当たりの良い中庭や回廊の明るさとは真逆に
中に入ると窓もステンドグラスも小さくて遠くてとても暗い。
古いスペイン映画を観るときに感じるような
どうしようもない物悲しさや重苦しさが
鈍いオレンジの光の底でじっとりと沈んでいる。
この国が決して無条件に明るく陽気なだけの国ではないことを
意識せざるをえない場所。

バルセロナ・カテドラル

重々しくて冷たくて少し湿っぽい匂いがして
でもどこか安らぎのあるドイツの教会とは正反対なのかもしれない。
どれだけこの国が暑かろうと、どれだけ空や海が青かろうと
ミツロウの匂いと煤のしみこんだ気配は多分、消えないのだ。

駱駝のコブのよう

ありえないくらいに生ハムが美味しいので毎日食べている。
スーパーの特売ハムだろうが
駅のスタンドのサンドイッチのハムだろうがとにかく美味。
それにプラスして魚介類とか塩漬けのオリーヴとか
塩分濃いめのものをたくさん食べてお酒もたくさん頂いて寝るので
朝起きると当然顔がむくむ。頬が丸く柔らかくなる。
ただし、日中はせっせと汗をかきながらせっせと歩くので
昼頃には顔のむくみは元に戻り
夜には目の下やらに陰ができ頬骨が見えるほど水分が抜けている。
人の体の大半は水分で出来ていることを身を以て知る日々。



数年前にスペインを旅したときにパエリアを注文したところ
店の厨房からレンジのチーン音が聞こえてきて
縮んだムール貝の乗ったパサパサのひどいパエリアが出てきた、という
相方の雪辱を晴らすべく、今日はパエリアの美味しそうな店を探す。

鰻といっしょで、頼んだ後かなり待たされると
「まともに作っているよ!」と安心できる。
果たして、まともなパエリアとサングリアが出てきたので
これで相方の無念は晴れたはず。
欲を言えば、もうちょっと具が豪快に乗っていてくれると嬉しかったけど
サングリアのほうは甘過ぎずフルーティー過ぎずちょうどいい味。

観光地で、しかも相当に大きな街で
ぼられずに平均点以上の店を探すのはむつかしい。

次にスペインに来る時は高くても待たされても要予約でもいいから
下の米が見えないくらいにぎっしりエビと貝とイカが乗ったパエリア希望。

2005年07月22日

なんて仕事

サグラダ・ファミリアの中

昼間に観るサグラダ・ファミリアの内部は腐海の底のよう。
天井がこんなに高いのに、意図的に高く作ったのではなくて
樹木の生長に合わせたらこの高さまで伸びましたよ、とでも言わんばかり。
胞子から伸びたような柱が、光の筋のさしこむ静かな空間を
にょきにょきと支えています。

そこから大勢の見学者が列をなす中に混じって
牛の歩みの如くちょっとずつ階段を登って
『御生誕のファサード』の一番てっぺん
初めて観たときに背中がしびれるほど感動した
樹とハトのモチーフのところまで登って
下りはあっという間で下りてきました。

見上げれば涙がでるほどの壮大な物語に手が届くところまで
自分の足で登って行くのはものすごく怖いことでした。
通路がとても無防備に吹きさらしになっているのももちろん怖いのですが
あまりのスケールの大きさと
それをリアルタイムで今建設中であるという実感とで
心動かされたり眺めを堪能したりするよりも先に
怖くて怖くて、ずっと膝がふるえていました。



初めて観た時には既に完成品としてそこにあった
巨大な、高い高い、建物が
何世紀にもわたって作り上げられてゆくときの光景も
またこのようであったのだろうか。
一つの石を水平に削り出す作業
一人の人が一枚のタイルを高みにはりつける作業
その気の遠くなるような一つ一つの積み重ねが
今、目の前で行われている。

建築家というのは実に恐ろしい生業であるよ。



人の気持ちを簡単に「わかった」というのは好きではないけれど
むかし建築家になりたくて、でもならなかった
(なれなかったのではなくて、ならない方を選択した)
友達の気持ちが、少しだけわかった、と思った。

青すぎて本当に目に染みる

さすがにバルセロナくらいの大都市になると
シエスタの時間帯でもかなりの数の店が開いていて
街がゴーストタウン化することはないようですが
それでも午後の一番暑い時間帯には
街全部が気だるそうに眠そうにしています。

バルセロナのビーチ

街は大きくとも同じ市内の、地下鉄ですぐの距離に
こんなに綺麗なビーチがあるのはなんとも素敵なこと。
トップレスで胸までこんがり焼けたスペイン人女性が
堂々と闊歩しているのもまたなんともおおらかで素敵なこと。



地中海の陽射しはやはり強烈。
がっちり日焼け止めを塗っていても
わずか30分でてきめんに日焼けの跡が。

本気で日焼けしたくないと思うなら
真夏に南国旅行などしてはいけないので
文句は言わない方向で。
食べるものと生活サイクルと精神状態を考える限り
日焼け止めを塗りたくってエアコンの効きすぎた部屋で仕事するよりは
こちらのほうがいろいろと肌にもよろしいのでは、とも思う。

おいしいスペインに住みたい

サン・ジュゼップ市場はとにかく圧巻の一言。
ものが異様にたくさん集まるだけでも一種の凄みが醸し出されるものだというのに
そこに集まっているものがみんなとんでもなく美味しそうなのがさらに凄い。
匂いとか音とか食べ物から出る瑞々しさとかが極めてぎっしりつまった空間。

魚市場何

日本にいるときは特に自分が魚介類好きだとは思わなかったけれど
新鮮な魚介の少ない国に住むととたんに恋しくなるのが人の性。
ピカピカの魚やらイカやら貝やらがぎっしり並んで、しかも安い!
1ヶ月、いや2週間でもいいからバルセロナに住んで食い倒れたい!

ところで写真下の不思議な生き物は何。
結構ポピュラーなものではあるみたいで、あちこちで見かけた。
もしかしたら細かく切ったり他のものと和えたりして
それらしきものを食わされたかも、という気がしないでもない。味は記憶にない。



昼食をどこで食べるか悩みまくった結果、今日もケンカになっては困るので
オレンジの木の植え込みのある小さなカフェレストランに
あまり期待せずに入りました。
結果は、大当たり。

with Ben Harper

大好きなBen Harperの『Diamonds On The Inside』のかかる店内で
感動的に美味なパスタとガスパッチョを賞味。
安くておおざっぱに作ってある感じなのに、トマトの味が体にしみわたります。
美味しいお酒を飲んでいるかのよう。
トマトの嫌いな人は絶対人生損している!と思う味。

アクエリアス、グエル公園

遅めに起きて、遅めにサンドイッチとカフェオレで朝食を取り
ホテルからグエル公園までゆっくりゆっくり歩きました。
途中のスーパーでアクエリアスを発見し
わ、久しぶりだ、と買ったはいいのですが(ドイツには売っていないのです)
なんだかこれ妙に舌がピリピリするし
濃いレモン汁みたいな強烈な酸味が……
ぼくらの知っているアクエリアスではなかったようです。



昼前にもかかわらず、グエル公園は人でいっぱい。
というより、グエル公園入り口の有名なトカゲの彫刻前が笑えるほどに人でいっぱい。
ここでトカゲの写真だけ撮って、公園を観ずに帰る人もかなりいる模様。
周りに押されるように我々もトカゲとともに記念撮影しましたが
メイン被写体がまるでわからないごっちゃりと混み合った撮れ具合に。

ガウディの家を観て、公園からバルセロナを一望して市街地に戻ります。
公園自体は非常に広く、見晴らしも良いので
少々人が多くてもとても気持ちよく過ごせました。
観光地であり観光スポットであるんだけど
観光客だけではなく地元の人からもとても愛されていて
とにかく開放的な雰囲気がとてもよかった。
ただ明るくて色彩が鮮やかなだけではなくて、風通しがよくて
サボテンとかブーゲンビリアとか暑さとか黄色っぽい土の色とかが
ものすごく似合う感じなのがいい。

2005年07月21日

月夜の聖家族教会

マルセイユの上空を通過中、というアナウンスで目が覚めました。
地中海です、ちちゅうかい。
濃い赤銅色の地表と海の青と低い木々の緑が目にしみます。
7月のスペインというところは想像以上の南国でした。
空港を一歩出たら並木道が椰子の木だよ!



ホテルにチェックインして港近くまで歩きました。
ようやく体調も復活してきたのですが、そうすると今度はお腹がすくわけで。
朝食も少し、昼食も少ししか食べられなかったため
元気になってくるとたちまちエネルギーが足りなくなるわけで。
夕食にはまだ早かったのですが
せっかく来ているのだから当然スペイン風の食事を取りたいのが相方。
お腹がすきすぎて胃壁が痛み出す気配を感じ
なんでも良いのでとにかく胃に入れたいのがわたくし。
朝は体調不良で不機嫌、昼は飛行機の中でうとうとぼんやりして話相手にもならず
夕方は空腹で不機嫌という伴侶に振り回されて、相方もかなり参っておられたご様子。
揉めた結果フォカッチャ屋におちつき、私の心身もなんとかおちつきました。



エネルギーが足りたので、穏やかな気持ちで暗くなりはじめたバルセロナの街を散歩。
ドイツで仕上げそこねた相方の仕事をインターネットカフェで片付けて
夜のカサ・ミラとサグラダ・ファミリアを観に行きました。
日が暮れても空気は生温く、海のほうから風が街路に流れ込んできて
月の色まで濃い濃いオレンジ色です。
夏の夜歩きを満喫するには完璧な空気。

夜のサグラダ・ファミリア

月を横に追い越すような夜のサグラダ・ファミリアは
まるで大きな岩山のようでした。
長い長い物語を岩肌に刻んだ山が空に向かい
この場所に込められた思念の全てを突き上げているような光景でした。
外壁に掲げられたオブジェの一つ一つを観ていたら、なんだかあまりにも生々しくて
御生誕のファサードの前で泣いてしまいました。



ホテル近くのどこかで食事をするつもりで戻ってみれば
近くの店は軒並み店仕舞いの後でした。
今から電車で戻って店を探していては終電を逃すので
閉まりかけていたレストランに滑りこんでとりあえずビール。
食事をオーダーできる雰囲気ではとてもとてもなかったので
すごすごと部屋に戻って自販機で買ったチョコレートとポテトチップスで過ごしました。

それにしてもスペインのフルーツジュースがやたらと美味いのにびっくりです。
果物の味がものすごく濃厚で甘くて香りがよくて
口に入れた瞬間に「うまっ!」と言わずにはいられない味です、あれは。

アスファルトと燃料の匂い、滑走路上にて

ホテルにて、お腹が痛くて目がさめて
寝不足と貧血と腹痛でよろよろしながらフランクフルトに向かいました。



初めて乗るユーロ圏内・短距離便は予想をはるかに超える気楽さ。
パスポートのチェックもなければ機内持ち込み荷物の検査もごくあっさりとしていて
搭乗案内と機内放送が英独西の3カ国語だったことをのぞけば
まるで外国に行く気分ではありません。
外国に行くっぽくない海外旅行。なんだか新しい気分です。
搭乗ゲートから飛行機まで、バスで移動するのも新鮮なら
搭乗したルフトハンザ機の小ささもとても新鮮。
今までは、出国審査を通ったら搭乗、機内、降機、到着先で入国審査を通り
下手するとそこから電車に乗って駅で降りるまで外気に触れられないことの方が多く
建物の中からは一歩も出ないし、出てはいけないものだと思っていたので
ゲート外に待機していたバスに乗って滑走路のすぐ側まで行き
アスファルトの上からタラップを自分で登って搭乗すると
なんだか特別な旅でもしているような素敵な演出効果が。
旅ですもの、旅の行程の一つ一つが既に非日常のイベントなのですもの。

しかし嫌が応にも強烈な腹痛と眠気とだるさは襲ってくるのです。
機内で例の袋を確保し、さんへの土産ができたのでひとまず寝ます。
ルフトハンザの袋は青地にロゴ入りのシンプルな袋。
幸い世話になることはなく済みました。

2005年07月20日

初日はまだドイツ

ニュルンベルクを(なぜか)経由して、南はスペインに行く旅に出ました。



相方が1日だけニュルンベルクへ出張を命じられたので
仕事を終えて1泊、翌日から休暇を取り、フランクフルトに移動して
バルセロナとその近辺に数日滞在する旅。

ニュルンベルクは街のいたるところにデジャヴュを感じる不思議な街です。
初めて来たにもかかわらず、ただ歩いているだけで懐かしくて居心地がよい街。
ドイツという国自体、私にとっては初めて来た瞬間から
強い愛着と居心地の良さを感じ続けている場所なのですが
ニュルンベルクに対する慕わしさは別格でした。

生憎の曇天に、夜からは雨が降り始めましたが
レニ・リーフェンシュタールの映像に繰り返し現れる水路と橋の印象そのままに
古木のような色のレンガと石づくりの建物が水面に映えて
赤で揃えた市場のテントと屋根の瓦とが灰色の城壁跡に本当によく似合う街でした。



愛すべきドイツとのしばらくのお別れに
ドイツ名物・アイスバインに初トライ。
塩漬けにした豚の足をまるごと煮込んで筋も軟骨もとろけるばかりになったものが
骨付きの塊ごとどかんと供される、まるであの肉のようなまことにドイツらしい料理。
とても一人では完食できないボリュームなので
これまで食べそびれて過ごしてきましたが
いざ食べてみるとお肉のとろける柔らかさに感動。
脂も豚足独特の匂いもほとんど抜けているので幸せいっぱいにかぶりつけます。
骨も皮も軟骨も丸ごとなので
カロリーさえ気にしなければコラーゲンの塊というのも魅力。
間違いなくお肌と髪に良いに違いないと思って相方と半分ずつ腹に収めました。



背筋を伸ばして歩くのが困難なほどお腹がぱんぱんになって大満足したところで
明日からスペインの海で水着ですよね?私。

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。