2007年10月08日

わがままなほうがいい

父と母と父の従姉妹とそのお連れ合い、計4名という
なかなかの大所帯をご案内して1週間。
ミュンヘンとその周辺、そしてオーストリアを旅してきました。

初回との最大の違いはたぶん
空港で見送って、一人で帰りの電車に乗り込んで
ガタゴトと良く晴れた午後の空を眺めていたときに
自分の身の回りが急にスカスカしてしまったような
一抹のさみしさを覚えたことでしょうか。
「やれやれ終わったさあ帰ろう」という安堵感ではなく。

ドイツ生活3年目にしてようやく辿り着いたオクトーバーフェストとは
後顧の憂いなく酒の飲める状態でなければ少しも楽しくないどころか
(当たり前ですね)
むしろ人いきれと酒臭さと食事の匂いとが
なかなかつわりの終わらない身に堪えて仕方なかったこと、とか
子どものようにはしゃいで歩き回る壮年4人を
ときとして扱いあぐねてしまったこと、とか
時折見かけては「嫌だなあ」と思っていた日本人旅行者の行動と
そっくり同じことを彼らもまたしてしまうのに呆れてしまったこと、とか
そんな困った出来事を全部差し引いても佳い旅ではあったと思い
自分の狭量さ気短さ配慮の浅さを鑑みつつも満足しています。

「とにかくバイエルンのビールを飲みたい」という全員の意志と
「サウンドオブミュージック」の舞台を訪れたいという母の熱望によって
今回の実現した旅行だったので、優先順位と目的がとてもはっきりしていて
どこでもいいけどドイツで1週間ほど楽しみたい、と言われた前回よりも
はるかに案内しやすかったのが勝因と言えば言えるのかも。

そして2年に1度のヨーロッパ旅行が恒例化しつつある(主に母親の)目論見は
次回はスイスかイタリアあたり、南仏もいいわねえ、というもの。
首都はスルーしたままで良いのだろうか。
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2006年06月28日

きっとまた6月に

素手クマ

ベルリンを一望できる国会議事堂のガラスドームに初めて登って
国会議事堂の真正面(!)に出来たadidasの特設会場でサッカー観て
ブランデンブルク門の前でやる気のないクマと出会って
ちょっと郊外にある布問屋とKaDeWe地下とで
布とボタンとレースをしっかりと購入して
ポツダム広場でもサッカーを観て
ユダヤ人犠牲者慰霊碑を観てユダヤ博物館にも行って
微妙な中華料理と美味しいベトナム料理とこってり台湾料理を食べて
ベルリン名物の真っ赤なシロップ入りビールを飲んできました。

涼しげな日傘を差してナビゲートしてくれたのはベルリン在住の晴さん。
時間がなくて教えてもらったところ全部に行くことは出来なかったけれど
久しぶりにチャイも抹茶ラテも飲めたし
団地のような殺風景なビルの中にあった布問屋では
絶妙な色合いのボタンや布を手に入れて過ごす幸せな時間は
なにものにも代え難いものでした。

自分の好きな街で、好きな時間の過ごし方をして
そこに住んでいる好きな人とそれを共有できることの充実感。
晴さん、ありがとうございました。
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ユダヤ博物館

ダニエル・リベスキントの設計による巨大なコンクリートの塊。
美術館や博物館の類で、建物や展示の方式について
ここまで徹底して意味付けをしているところを私は他に知らない。

無機質で歪な形をしたこの建物の廊下では
その前半部、水平と垂直とが緩やかに狂った狭い壁と床と天井が
静かな目眩を引き起こす(京極堂まで行く坂道と同じだ)。

49本のコンクリート柱が碁盤の目状に林立する「亡命の庭」。
ここでもまた、地面も柱も互いに微かに傾ぎ合って
ただでさえ不確かな足元をさらにくらりとさせる。
柱頭に植えられたオリーヴの木の緑でさえも
めくらましのように頭上にちらちらと光るだけで
樹木の瑞々しさや安らぎを感じさせることはない。

平らで真っ直ぐな空間を求め、重い真っ黒な鉄の扉を開くと
微かに光が差し込み、外界の喧噪がすぐ近くに聞こえる他は
灯一つないコンクリートの空間「ホロコーストの塔」。
数箇所に空いた直径数センチもない穴は
その壁がとほうもなく厚いことを思い知るためだけにある。
人を絶望させるために計算された高さで黒い天井が多い被さる。

挑発的なピンク色のネオンで染められた
フロイトの企画展会場の前を通り過ぎ、長い階段を登ると後半部。
もう傾いた廊下でふらふらすることはない代わりに
不規則に、ときに鋭角に折れ、階段を上り、下り
スリットのような窓から唐突に外の景色がのぞき、と
まるで終わりの見えない曲がりくねった展示室を黙々と巡りながら
旧約聖書の時代に遡ってユダヤの歴史を辿ることになる。
写真一枚、キャプション一つ展示するのにも
フェナキスティスコープ風の巨大な円盤や壁一面の風車の羽
ダイヤル錠のように横一列に並んで転がるドラムなどが用いられ
地に足をつけて立つことも静かにじっと横たわることも
回転の軸を離れてどこかへ行くことも出来ない状態が
出口の見えない中で繰り返し繰り返し示される。
繰り返し、繰り返し。くるくるくるくる、くるくるくる。
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2006年06月27日

のりものだいすき

チケット、乗り物、サイン、路線図。
視覚的に美しい公共交通機関を持つ街が好き。
バルセロナ、ミラノ、プラハ。
そしてここフライブルクでバスと路面電車を運営している
VAGのデザインポリシーもとても気に入っている。
しかしベルリンのBVGが素晴らしいのはデザインの簡明さだけではなく
マスコットキャラクターに我が愛しのPlaymobilを起用したそのセンス!

うちの子になりました
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2006年06月26日

ちょうど1年ぶりの、ベルリン

ベルリンの空はとても高い。そして、とても風通しがいい。

磨き上げられたガラス張りが水晶宮を思わせる。
ワールドカップの開幕直前にオープンしたベルリンの中央駅。
透き通るチューブが立体交差する中を走り抜けるのは
白地に緋色のICEだけでなく、時代めかした色の都市近郊線も。
そこからほんの一駅か二駅、移動して地下鉄に乗るだけで
かつての佇まいを色濃く残す構内を見る。
乗り継ぎのために不自然に連結された通路を
歩いて登って下って曲がって、地上に出て、目眩をおこす。

古いものと新しいもの、洗練された軽さと垢抜けない重苦しさ
この街ではあらゆるものが交錯しているように思う、と言ったら
仕事先のボスはそんな景色について、分断、という言葉を使った。
かつて、まさしく西と東とに分断していた街は
なだらかに相を変化させながら広がってゆくのではなく
その場所その場所での空気が、色が、ぶつりぶつりと切れながら
隣とくっつきあうことでまとまっているような、そんな街。
ベルリンのドイツ人はそんな景色のことを、村だというらしい。
外殻らしき外殻のない村、共同体ではなく集合体としての村。
それらがゆるやかに集まってベルリンになるのだと、いうらしい。
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2006年03月14日

そういう強さ

ブレーメンのKunsthalleで忘れられない絵に出会う。
Jan Sanders van Hemessenの描いたイスラエルの英雄ユーディット。

いかにも女性的なユーディットなら「わかる」のだ。
あるいは、中性的なユーディット。
戦いに赴く女性とは髪を長くなびかせ美しい肉体を戦場に投じるもの。
あるいは髪を短く切り少年のような華奢な痛々しさで戦列に立つもの。
戦う女性を「戦う女性らしく」演出してしまう約束事。

そういう「戦う女性像」のフォーマットに真っ向から挑戦するかのように
このユーディットは驚くほど「男性的」である。
アメリカンコミックスのキャラクタのように
女性の骨格の上に誇張されたステロイド漬けの筋肉をのせたのではない。
隆々とした体つきは彼女が自らの努力で鍛え上げたもの。
彼女自身の肉体として彼女が身に纏うもの。
記号ではない、誇示するためでもない、彼女が戦うための身体。
ミケランジェロの作風さえ思わせるような逞しさで
彼女ならきっと真っ向からホロフェルネスと戦っても
その首を掻き切ることができたに違いない、と思わせる。

弱くない。彼女は弱くなんてない。
少しも「戦う女性」であることそのものを武器になんてしていない。

同じ館内には馬に跨がり槍をかざすアマゾネスの像が置かれている。
彼女の身を護るものは兜のみ。凛々しいけれどあまりにも無防備な姿。



【ユーディット】
古代イスラエルの伝説において、アッシリアの大軍による進攻を受けた際、祖国の窮地を救うべく神の啓示を受けたユーディットは、単身アッシリア軍の陣営へ赴き、イスラエルに対する裏切りとアッシリアへの協力とを申し出る。総司令官ホロフェルネスと臥所を共にすると見せかけて酔いつぶれたその寝首を掻き、首をイスラエルの陣営へ持ち帰ったとされている。ユーディットはイスラエルにおいて今でも建国の英雄として讃えられている。
posted by YUKINO MATOI at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 旅のことードイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

聖ペトリ教会

St.Petri

紋様というものは言葉に似ている。
一定の規則と変則の中で組み合わされた世界。
完結した世界。あるいは連続してゆく世界。
世界を構成する要素は、またその世界について語るための要素でもある。
素朴で単純な線の繰り返しによって驚くほど雄弁に紡がれる世界もあれば
緻密で複雑な文法と語彙を持つ言語によって秘めやかに語られる世界もある。

言葉でしか紡ぎ得ぬものを紡ぎ
紋様でしか語り得ぬものを語るためにこの空間は存在する。
そのようにして紡がれ語られることなくしては
誰の目にも見えず誰の耳にも聞こえなかったものをあらわすために。
posted by YUKINO MATOI at 16:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 旅のことードイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ハンザの街

早く寝て早く起き、湯気の立たない朝食を頂いてチェックアウト。

冬至を越して復活祭に向かうこの季節
気温が逆戻りすることはあっても日照が減ることはない。
ブレーメンの朝は、しかし、遅い。
店も教会も美術館も11時にならないと開かないなんて。
することがないので良く晴れた街を歩く。今日も寒い。



存在感や風格に欠けているわけではないのに
この街の建物には重厚な威圧感がまるでない。
軽薄でない程度に力を抜くことを忘れていない。
程よい緊張感と風。なんて気持ちのいい街。
北海はまだ数十キロも河を下った先なので
港町ではあるけれど潮っぽさとは無縁の街。
ハトに混じってカモメが屋根の上を飛んでいる。
街のいたるところにロバと犬と猫と雄鶏がいて楽しい。



背筋の伸びるような聖ペトリ教会の佇まいにため息をつく。
ろくに地図も見ずに細い路地に入っては出てまた入る。
コーヒーと甘味だけの昼食の後はさらに歩く。
日が傾きかける頃を狙ってサイエンス・センターの勇姿を仰ぎにゆく。
驚くほど細長くて黒い船が音も立てずに河を下るのを眺める。
帰りの電車は21時29分。朝が早かったので一日がたいそう長い。

運良くこの日は一番大きな美術館Kunsthalleの延長開館日だったので
日が暮れる頃に入館してたっぷり数時間を過ごす。
中程度の広さの館内をミュージアムショップまで含めて二巡。
興味深いのは作品の新旧が意図的に混ぜて展示されていること。
肖像画を集めた間にシンディ・シャーマンのセルフポートレイト。
風景画の間に、海鳥のシルエットが浮かび上がるインスタレーション。
館内を埋める絵の列の中に積極的に埋め込まれた異物。

駅の待合室で質素に夕食を済ませて夜行列車。
夜遅くなっても同室の人が誰もカーテンを閉めようとしないので
満月に近い晩冬の月がよく見えた。
春は北へ、月は西へ。短かったけれど良い旅でした。
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2006年03月13日

霊長類は南へ、音楽隊はブレーメンへ

自分の仕事用に手配したチケットはそっくりキティに譲れば済むのだが
終わったらブレーメンまで足を伸ばしてから帰る心づもりで
ちゃっかりと帰りの電車とホテルと休みをとっていて
キャンセル料払うくらいならねー、と厚かましく出かけてきた人の話。
腫れはどうにか引いた。
鞄にはイブプロフェン一箱とイチゴ水の色をしたうがい薬。



ハノーファーで一旦下車してキティと合流。
お仕事依頼人へのご挨拶とお詫びとを兼ねて昼食をご一緒する。
雲行きは悪くないものの3月に入ってから一向に気温が上がらず
きりきりと刺すような冷気が左の頬には心地良い。
寒い。ひたすら寒い。全身をこわばらせて歩く。
何か防寒具を強化したほうがいいのでは、と思って入った店で
夏物のブラウスにうっかり一目惚れし購入。
日向の水溜まりすら凍り付いて溶けないほどの陽気でも
品揃えは既にうららかな季節をのみ目指しているのだ。

ブラウスをスーツケースに押し込んで手持ちの服を重ね着。寒い。
カラフルな木組みの家々で有名な街・ツェレに立ち寄る。寒い。
暖房の効いた車内ですら体のきしむような感じが取れない。寒い。
ブレーメンに取ったホテルは街灯の少ない住宅街のど真ん中。寒い。
外観も内装もホテルらしからぬ普通の邸宅のような感覚。寒い。
同室者なしでホテルに泊まるなんて大学受験以来だわ。寒い。
部屋の暖房が切ってあったので真っ先に最強にする。寒い。
天井は高く窓は大きくヒーターは小さくカーテンには大きな隙間。寒い。
せめてシャワーで暖まりたいのにシャワールームにはヒーターがない。寒い。
ベッドの中以外に震えずに済むところがないのでもう寝ます。うう寒い。
posted by YUKINO MATOI at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 旅のことードイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月06日

旅の途中のすてきなこと箇条書

2泊3日の旅の拠点はミュンヘン
アウグスブルク経由
ミニチュア好きの心をくすぐるバイエルン州のクリスマスマーケット
初日の夜は相方の友人のお宅にて職人技の和食を堪能

2日目、日本からやってきた友人と再会
ミュンヘン―レーゲンスブルク日帰り往復
ヴァルハラ神殿の向こうは地平線と一面の雪景色
夕焼けの空を映画の『ガタカ』みたいに飛行機が次々横切っていた
信じられないくらいに遠くまで世界を見渡せた

夜、友人からお土産を受け取って別れる
リクエストしたのは『装苑』と『KIMONO姫』
栗山千明の袴姿がなんて麗しいこと
もうひとつ、クリスマスプレゼントにもらったピアスが
あまりにも好みにぴったりで嬉しくて嬉しくてちょっと泣く

3日目はニュルンベルク経由で帰る
ドイツで一番有名なクリスマスマーケット会場
プレイモービルハウス発見
なぜかアウトレット価格
よろこびにあふれつつここぞとばかりに大物を買う
クリスマス菓子もきっちりと買う
フライブルク駅のホームでベンチに激突
手のひら大の巨大なあざをこしらえて帰宅
posted by YUKINO MATOI at 10:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 旅のことードイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月23日

親と行くドイツ

ツアーではなく個人単位で海外に出るのが初めてな父と
ツアーも何も海外自体が初めてな母を連れて一週間、旅行してきました。

銀婚記念の旅行なので、本当は私がぽぽんとご招待できれば良かったのですが
不肖の娘は自分達の生活で精一杯なので
ガイド及び通訳代だと思ってちょうだい、とのお言葉のもと
婿殿と四人、ライン川を見下ろせる古城に泊まったりとか
お財布の中身をあんまり気にしないで好きなものを食べたりとか、してきました。

喜んでもらえて娘としては本当に嬉しい限りなのですが
なにぶん勝手の判らない異国でのことでもあり
戸惑う両親のフォローにまわった私もかなり消耗。
婿殿が途中仕事で旅行日程を外れた途端に
身内だけの気安さから容赦なく俺ルールを発動させる父。
それなりに母と娘に格好良いところを見せたかったのかもしれませんが
生憎となんだかまずい具合に空回りで随分と胃の痛い思いをいたしました。

普段使用しない回路を総動員するはめになったせいなのかどうか
最終日には消化器官がすべてダウンしたうえに発熱。
両親の接待は婿殿にまかせ
布団を四枚くらいかぶって部屋で悪寒にふるえる始末。

やっぱり自分はいろいろなところが弱いのだと思い知らされつつ
五十の坂に差しかかってもまだまだ二人とも健在なのは有り難いことなので
次にお越しになるときはもう少しお互いに寛いで旅ができればと思いました。



結局一番大変だったのは
義のつく両親の接待と倒れた伴侶の看病に振り回されつつ
旅の途中で出張も挟まった宅の相方だったに相違ありません。
ご厄介かけました、まったく。
posted by YUKINO MATOI at 18:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 旅のことードイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年06月17日

ベルリン、工事中

チェックインしたはいいものの外はまだまだ明るい。
疲れていても気が昂っていて眠れない。
こうなったら今日は血豆ができるくらい歩いてやる、と決めて外へ。



道に迷いさえしなければベルリンの中心地まで15分とかからない。
明るくても既に7時近いので、閉館時間のない場所をさっくりと回る。
六本木ヒルズにも出没したらしいカラフルなクマの群れ
「ユナイテッド・バディ・ベアーズ」をあちこちで目撃。

アレキサンダー広場で降りてブランデンブルグ門までひたすら歩く。
菩提樹の下、ウンテル・デン・リンデンはどこも工事中であまり風情がない。
というか、ベルリンはどこを見渡してもたいてい工事現場が目に入る。
悪くいえば風情がないけど、よくいえば風通しがよくて身軽で新鮮。
ドイツ中、たいていどこの街にも流れている
街固有の「色」があまり全面に出てこなくて、そのぶん開放感がいっぱい。

とはいえ、あるべきところには時間の蓄積された佇まいがある。
フンボルト大学の古書市でポーランドの衣装史の本を買い
隣の国立図書館の前庭で早速読みながら一休み。

ベルリン国立図書館

ポーランド語?全く解せませんが、図版が非常に充実してるからいいんですっ。



残念ながらブランデンブルク門近辺も工事中で
おまけに閉店後のからっぼの出店が並んでいるのでなおのこと淋しくなってしまう。

ブランデンブルク門


一方こちらはブランデンブルク門をバックにした『バットマン・ビギンズ』の広告。
む、格好良い。

バットマン・ビギンズ

格好良いといえば、ブランデンブルク門を出てすぐに
(日本のガイドブックにはあまり載っていませんが)ソヴィエト戦死者記念碑があって
こちらも入り口両脇に戦車の据え付けられた非常に漢らしいモニュメント。
あまり良い写真がとれなかったので画像は載せられませんが
威風堂々としたソヴィエト兵士像の足元に
まだ捧げられたばかりの深紅のバラの花束が置かれていたのが印象的でした。

※ソヴィエト戦死者記念碑・画像
http://www.berlin.citysam.de/sowjetisches-ehrenmal-fotos-berlin.htm
http://www.inidia.de/sowjetisches_ehrenmal_berlin_tiergarten.htm



そのまままっすぐ戦勝記念塔まで歩いたところで足が限界を訴えたので
バスに乗ってユースに戻ってベッドで足をマッサージしているうちに爆睡。
ベルリン1日目終了。
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ベルリン、迷子

相方はハノーファーからケルンへ移動。
わたくしは次の日曜日までにフランクフルトへ戻ればよく
それまでの間、せっかく北に来たのだからベルリンを旅しよう、と計画する。



ベルリンについたのが午後3時過ぎ。
ユースホステルにチェックインしたのが午後6時過ぎ。
迷わず辿り着ければ1時間足らずでチェックインできたにもかかわらず
久しぶりの大掛かりな迷子になる。

敗因はいろいろあって
せっかくベルリン在住の友人が薦めてくれた立地の良いホテルと
他で見つけた安いユースと、迷った挙げ句安いほうに決めたせいだとか
件の安宿がいい加減な地図しかウェブサイトに載せていなかったせいだとか
いやいや少しでも「迷った」気配を感じたら
直ちに人に道を聞くなり大判の地図を買うなりすべきだったとか
気がついたときには地図を売っていそうな店はおろか
通行人もタクシーもまばらにしか見当たらない住宅地のど真ん中で
そこからさらに歩いてようやく地図を入手したときには
ユースは進行方向のはるか東側に遠ざかっていました。

権化

こんなイデオロギッシュなモニュメントを横目に旧・東地区の街路を歩く歩く。
整然としてだだ広く無機質な区画整理と
ロシア語系の通りの名前に旧共産圏の名残を感じる。
チェックイン前までに6kmほど歩いてしまうとはバカにも程がある。
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2005年06月16日

ハノーファー、メキシコ

フライブルクからハノーファーまで
3月に行ったときには眠っている間に着いたけれど
今度は真昼間に電車にゆられて4時間ほど。
ICEとは日本の新幹線に相当する乗り物だと
よくガイドブックには書いてあるが
牧草地や花畑の真中を延々走り続けたり
風力発電の風車が何十と立ち並ぶ草原の中を走ったり
線路のすぐ脇で牛が草を食んでいたりで
新幹線よりはずいぶんと牧歌的なところのある乗り物だ。



夕方、ハノーファーに着いてすぐスタジアム入り。
ここでとんでもないことが発覚する。
コンフェデレーションズカップのオフィシャルスポンサーが
アメリカ系の某有名ビール会社であるため
会場内で販売しているのは名前にバのつく薄いビールのみ。
おまけにビン・缶類の会場内持込は禁止。

夏だよ?夏の夕方に外でサッカー観るんだよ?
まずいビールしかないって?ここはドイツなのに?
ふ、ふざけるなー。責任者よべー。



キックオフ30分前。
選手のラインナップが読み上げられて盛り上がる会場。
今日は記者席ではなくスタンドで観戦の相方。
今日は仕事抜きで観戦できる日なので心置きなく豹変する相方。
目の色が違うとはこのことか、と冷静に引いてみる。

選手入場、国家斉唱。
万単位で人の集う場所で君が代を聞くのは
思っていた以上に感動的で迫力がある。
国歌としての敬意うんぬん以前に
君が代とはそもそも音楽として
ずっしりと心に響く美しい旋律で好きだ、と個人的に思う。



目の前で生の日本代表が動いているのを観るのも
会場の端から端まで人がうねる光景も
ゴールが決まった瞬間に会場が沸騰するのも
全部が全部初めてで、なんだかとんでもないような場に来てしまったように思った。
一つのアクションに万の人間がリアクションを送り
それを受けて次のアクションがブーストオン、の連鎖がたまらない。



後半に入り、素人目にも前半よりも明らかにつまらない展開で初戦黒星。

今日のハノーファーはいたるところ日本人だらけ。
どこの店に行ってもジャパンブルーの集団が目に入る。
連日の激務で早くも頬がこけ、目の下の隈を濃くした相方とともに
肉だ!肉とイモをがっつり食おう!景気づけだ!次はギリシャだ!と
鼻息荒くステーキハウスに繰り込んで夕食、就寝。
相方は深夜に携帯が鳴って再び出て行ったが、私は風呂に入って就寝。

旅の1日目終了。
posted by YUKINO MATOI at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 旅のことードイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

サッカーを観に行くよ

コンフェデレーションズカップを観る旅に出てきます。
日本代表グッズはおろか青い服の1枚すら持っていないのですが
仲間はずれにされたりしないでしょうか大丈夫でしょうか。



旅立ちの前に
服と小物の委託販売を引き受けて頂けるお店と話をつけてきました。
忙しい夏になりそうです。
やれ嬉しいな。
posted by YUKINO MATOI at 06:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 旅のことードイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月14日

世界遺産の街

旅先でいい具合に財布の紐が弛んでいる所へ
これまた具合にガラクタ市が立っているのに遭遇したりするわけです。
一針一針、気の遠くなるような手間をかけて編まれたであろうレース。
おそろしく手の込んだピンタックのエプロン。
街の小さな美術館の衣装室にも
一体どうやって編んだのか想像すらつかないほど繊細なレースが。



大切なものを誇りはするけれど誇示はせず、喧伝もせず、飾り立てもせず
ただそれがそのままであることを願ってそっと静かに慈しむような。
そういう心のありようはとてもドイツ的で、ドイツの美点の一つだと私は思っている。



ヒルデスハイムの街には世界遺産に指定された大聖堂がある。

ヒルデスハイム

街に着いても地図を見てもどこに教会があるのかさっぱりわからず
交差点の案内書きでかろうじてそれとわかる程度。
入り口にも小さくユネスコのマークが書かれているだけ。
かつて司教座が置かれていたとは思えないほど、街自体も、大聖堂もとても小さい。
他の比較的新しい教会のほうがよほど大きくて目立つ。

石垣に囲まれた坂道をぐるりとのぼり
辿り着いた先に、ひっそりと低めの鐘楼が立つ。
夕暮れも近く、つましい大聖堂には誰もいない。
灰青色の空。湿った空気。
中庭で、樹齢約千年というバラの巨木が小さな実をたくさんつけていた。
自分の足音以外、何もきこえない建物の中。
穏やかで静かで冷ややかで、固い壁で外界と隔てられた空間。

ここで眠りにつく人は、本当に、このまま密やかに眠り続けて
いつか再びこの庭で目覚めることを信じて瞼を閉じたのだろう。
緑の濃い花輪で飾られた墓石。千年の花の咲く寝所。
posted by YUKINO MATOI at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 旅のことードイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月13日

笛吹き男の街(続き)

笛吹き男

ハーメルンでは地面に小さなネズミの絵が点々と続いていて
ネズミを追いかけてゆくと市内の観光名所を1周できるようになっている。

karstadt

KARSTADT(ドイツ中どこにでもあるデパート)もハーメルン仕様。

悪天候のため市内にはほとんど人の姿がない。
おやこんな日に酔狂な、と言わんばかりの目で見られる観光客1名。



vodafone
マック

ドイツといえばおなじみの木組みに白漆喰の家並がこのあたりには本当に多い。
ボーダフォンやマックは、あくまで元の風景を壊さないように大人しくしている。

南のほうと違うのは、木組みの梁や柱にさらに色付きの彫刻が施されていること。
花の文様、家紋、ラテン語の警句、などなど、見ていて
ドイツ南部だと窓辺にプランターを吊るして花を植えたりするけど
こちらは冬でも目に楽しい。いや、冬が長い地方だから
花のない季節でも美しく見えるようにしたのかな。

木組みの家

こちらはブラウンシュバイクという街の家。

木組みの家アップ

石造りの家には絶対にない種類の、厚みのある艶。
美しいなー。
posted by YUKINO MATOI at 14:03| Comment(1) | TrackBack(0) | 旅のことードイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

笛吹き男の街

相方がハノーファーのメッセで通訳のバイトをしています。
便乗して北にやってきました。
まさにちょうど旅がしたくてしかたない、旅を必要とする時期だったので
(ていうか学校で行き詰まっただけ…)
相方は連日仕事、なれど私は大変に楽しゅうございます。



連日悪天候でみぞれと強風。
旅日和ではないけれどさして悪くもない。
風力発電機の列を見ながらハノーファーから各駅停車。
40分で笛吹き男の街、ハーメルン。

ちなみに『ハーメルンの笛吹き』は
ドイツ語では『ハーメルンのネズミ捕り男』と呼ばれています。
子どもを連れ去ったことは不問に付されているのでしょうか。

今までに見た中で一番「かわいい」街かもしれません。
ドイツ風の木組の家に装飾が施されていて
メルヒェンの世界に迷い込んだような街、というのをリアルに体験できます。

もちろん街は笛吹き男グッズとネズミグッズでいっぱいです。
posted by YUKINO MATOI at 07:31| Comment(1) | TrackBack(0) | 旅のことードイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月11日

旅に出ました

木金の授業をぶっちぎって夜行列車で北上すること7時間
列車の中ではまるで眠れず、着いたのは北の地ハノーファー。

夕方のフライブルクで旅の装備にスカートとブラウスを買い
ハノーファーで着くなりまず駅構内で一番大きなスタンドに入り雑誌を購入。
ドイツでNumeroを買うと日本で買うよりも高いことに腹を立て
なんで12ユーロもするのかしらと思いつつ結局ドイツ語の雑誌を数冊
13ユーロほど買ってホテルへ向かう。あれ?

続く。
posted by YUKINO MATOI at 16:54| Comment(1) | TrackBack(0) | 旅のことードイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年11月03日

マイナスイオン供給・スイスの旅

11月1日はどなたか聖人の日だそうでお休み。三連休でした。



こっちで仲良くなった人(相方の友達)が
もうすぐ日本に帰ってしまうので
もう一人の友人と相方と4人で日帰りスイス小旅行。
電車で2時間くらいかけてRheinfallという滝を観に行った。
名前のとおりライン川の上流にある滝なのだけれど
大陸の河川とか滝を島国のと一緒にしちゃいかんなと思い知らされる。
幅150m、落差23m、水量も水勢も半端ではないので
飲み込まれたら多分間違いなく即死。
紅葉をバックにしているので非常に豪壮で素敵な眺め。
真中にぽつねんとある岩場までボート(!)で行けるのですが
友人の一人が船に弱い質だったので断念。Schade.



帰りの電車の電車の乗り継ぎついでに
ドナウ川の水源がある街・Donaueshingenに寄って帰宅。
こちらは対照的に丸い泉がこぽこぽと湧く静かな街でした。



全く話は変わりますが「きまぐれロボット」が観れなくて今とてもくやしいのです。
Windows2000/me/XP以上のパソコンをお持ちのフライブルカー募集中です。
posted by YUKINO MATOI at 05:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 旅のことードイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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