2007年08月31日

ゴシック職人

あらすじ。
乗り入れ路線も改札も人も無闇に多くて、元来がカオスのような新宿駅。
新宿駅で迷子になったことのない人間などいないに違いありません(私見)。
そんなところに工事がはじまったからさあ大変です。
中央西口はどこ?小田急線はどっち?
要所要所に警備員が立って拡声器で誘導しますが
なにしろ乱がわしい場所ですから簡単に収拾のつくものではありません。
そんなある日、誘導係を務めていた佐藤修悦さんという方が
ふと思いついてガムテープで壁にぺたぺた、と誘導サインを作成します。
特に許可も取らない自主的な行動だったそうですが
そのサインの明瞭さ、インパクト、レタリングの基本にきっちりと則った仕事の美しさ
そして素材はガムテープ、というフレキシブルさに、駅員さんが「これはいい」と絶賛。
改めて駅側から正式に制作オファーを受けるに到ったのです。

以下はアートユニット「トリオフォー」が佐藤さんに取材して制作した映像。

新宿ガムテープ道案内のこと (1/2)



新宿ガムテープ道案内のこと (2/2)


佐藤さんのフォントは現在では「修悦体」と呼ばれ
日暮里駅で現物を見ることができるのだそう。
さらに高円寺で期間限定の展示も行なわれています。下記リンク参照。

「新宿駅ガムテープ道案内」の作者実演を見た!
http://portal.nifty.com/2007/08/29/a/



佐藤さんは、高校の美術の授業でフォントについて学んで以来
普段から手書きの文字もぴしりと角張った字を書いているほどの
ゴシック体フリークなのだそう。
文字の折れや止め、払いの部分は丁寧にカーヴを切り取ってあり
配色の都合で見づらくなる文字には縁取りを施すなど
必要充分な範囲でさりげなく神経が行き届いている。
よしもとばなな氏が以前日記に書いていた
「自分の仕事がどの程度まで必要とされているのかを正しく見極めて
その上で、求められているよりも『ほんの少し』上乗せして頑張るのが
働く側も働いてもらう側も本当に良い仕事なのだ」という話を思い出す。
その「ほんの少し」の上乗せのために無理をしたり
上乗せをしたことを必要以上に意識したりすると台無しなんだけど
その点、修悦体の細やかさには恩着せがましさが全然なくて、すごく良い!

posted by YUKINO MATOI at 05:48| Comment(0) | TrackBack(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。