2014年06月17日

ディケイド

10年の間に書き連ねたものを少し読み返してみました。

10年前の私が見たら、あっけにとられるような場所に今、私は立っています。
子どもを2人授かり、母になりました。
10年前よりも確実に、健康体になりました。
思えば、独り身だったとき、夫と2人だけだったときは
どれだけ自分の体を省みていなかったことか。
1週間、食事がふりかけご飯だけになっても良いからこの本を買いたい。
2時間しか寝られなくても良いから、どうしても今夜中にこれを縫い上げたい。
それが当たり前でした。
頭が痛い。貧血。胃が痛い。めまいがする。熱が出た。云々。
不摂生をしていれば当たり前です。

暮らしの優先順位が、確実に変わりました。
子どもたちとともに9時に床につき、5時に目を覚まします。
食卓を整え、汚れたものを洗い、部屋を掃除し、子どもたちの宿題を見ることが
本を読むより、仕事を仕上げるより先になりました。
ものを作る仕事は相変わらず続けていますが
並行して、ドイツに来た頃には想像もしなかった仕事を始めました。
意外と性分にあっていて、ものをつくるのと同じくらい、長く続けていけそうです。

心を揺さぶるものを求めて、いろいろなものに心を揺さぶられすぎて、ぐらぐらになって、
すきーなひとやものがおおすぎてー、みはーなされてしまいそうだー♪(椎名林檎「月に負け犬」)
だった頃に比べると、とにかくあらゆるものを吸い込みたい、網膜に焼きつけたいという渇望が
比べものにならないほど減りました。
あの頃、焦がれてやまなかったもののいくつかが、知らずそっと心を離れてゆきました。
あれも、これも!とひたすら求めていたものが減ったかわり、
求めずして偶然出会えたものが与えてくれる、深い驚きと輝きとに感謝することが増えました。

可愛がってくれた夫の祖母が逝き、他にも幾人も、大切な人を亡くしました。
幸いに両親も祖父母たちも健在ですが、彼らの老いを、そしてやがて来る死を、
意識せざるを得なくなりました。

しかしまあ、白寿までを僅かに残して逝った夫の祖母に比べれば
20代前半からここまでの10年間など、
ようやく前奏曲が終わった程度のものなのでしょう。
40代の自分から見れば、これからの10年間も、
やはり歯がゆく、情けなく、みっともなく、そして限りなく懐かしく映るのでしょう。

今日も生きます。
posted by YUKINO MATOI at 16:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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