2010年10月22日

不可視カウントダウン

夜、子と眠りにつくたび、ぺたりと母のお腹にはりついて寝入る息子の寝息を聞くたび、この子一人のためだけのママでいられるのはあと何日かしらと思う。3人の夜。一応床に就いてから朝までまとめて眠ることができて、2時間おきに起きなくてもいい夜。朝起きるたび、ああ昨日も陣痛は来なかった、さて今日は何が出来るかなと思う。早く来てほしいような、もう少しこのままでいたいような。



とにかく引っ越してしまわねば、新居に全部荷物を入れて最低限住処としての体裁を整えねば、でどうにか「済んだ」と言える状態になったと思ったらあれよあれよという間に出てきてしまった長男。予定の1ヶ月以上前からキリキリと前駆陣痛で母を悩ませ、ああこの子もさっさと出てくるんだろうなあと思いきや、意外に予定日まであと5日、というところまで来て、案外11月生まれになったりするのではという気さえ起こさせる2人目。違う人間が入っているのだからお産もその都度違うのが当たり前、5人産んで5人とも1回1回全部違ったと言う義母の言葉は説得力満載。



陣痛が来てキャンセルになったらごめんね、といいながら友達と会う約束をして、予定通りに会えることへのじわじわとした驚き。大豆を煮ようと水に漬けつつ、1時間後に陣痛が来ちゃったらこの豆どうしようとふと心許なくなり、翌朝何事も起こらなくて無事鍋を火にかけるに到るこの感じ。少しでも時間がかかることは最後までできない可能性がある。来週の予定なんてあってないようなものだと守れる見込みのない約束のような気すらしながら立てた予定の通りにことが運ぶ。「いつも通りの明日」がもしかして来ないかもしれないと思いながら書いたメモの一つ一つを、用事が片付いて屑籠に放り込むたび感慨深い。結局毎日が普通に進行してゆく不思議さ。1時間後なのか明日なのか来月なのか、まさかとは思うけどその日が来ないなんてことありはしないだろうかとちらちら不安もよぎりつつ、確かに近づいたという手応えを感じる「その日」。



毎日なにかしら出産の絡む夢を見る。昨日は夢の中でもう分娩室にいて、助産師さんの指示でせっせと体操やら呼吸やら陣痛を逃がしていて、もう間もなく頭が出ますよーというところまで来ていたので、夜中に目が覚めて真っ暗な寝室で普通に家族が隣に寝ているのにものすごく戸惑った。



父親は生まれてきて抱くまで実感ないとか言うけど、母親だってお腹の中に抱えて誰よりも近くにいるくせに触れないし抱けないし声も聴けなければ匂いも嗅げないのだもの、確かな胎動を心底愛おしく思いながらもやっぱり、肌を合わせて顔を見てやっと「はじめまして」って感じだと思う。
posted by YUKINO MATOI at 14:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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