2007年08月31日

ステレオ面談

思えば遡ること4年前、大学の留学センターを通じて申し込んだ
フライブルク大学のサマーコースで出会って
あれよあれよという間に意気投合した現地の日本人大学生が
今日私が腹に抱えているちびっ子の父親となったのでした。

例年、コース最終日に催されるバーベキューパーティーに
現地チューターを務める友人からお誘いがかかったので
しとしとと雨の降る中、暖かい格好をして出かけてみました。
私が留学した当時にお世話になった先生もいらしていて、4年ぶりのご挨拶。
曰く「普通になっていて誰だか判らなかった。昔はもっと謎っぽい子だった」とのこと。



チューターの友人2人と向かい合って座り
ちびちびとりんごジュースを飲みながら野菜をつついていると
両隣に可愛らしい10代女子が座ってくれる。
自己紹介から始まり、短期留学の感想から、やがて話題は将来のことへ。
2人とも可能なら長期留学したいのだそうで
現地で学生生活を送って長い友人2名がそれぞれ1対1での進路相談状態に。
それぞれキャラクタも嗜好も人生観も異なるであろう2人が
おもしろいくらいに同じことを右と左とで質問しているので
間に挟まれた私は「海外って」「将来って」「就職って」のステレオ状態。

そりゃあ10代後半から21、22の頃は私だって
「今、自分がいる場所」と「将来、自分が行きたい場所」とが
どうやったら繋がるのかって、もう酒飲むとそればっかり考えていましたよ。
思い当たる節があるからこそ、隣で聞いているのがくすぐったくって!
こんなにもフル装備な青春スーツでかっちり身を固めた子たちには
久しぶりに会ったような気がして、なんだかいろいろ考えてしまいました。

仕事とか大学とか留学とか、ましてや人生について、だなんて
私のような者から言えることは一つもない気がしてずっと黙っていたけれど
人一人の幸不幸を決める要素は世の中に無限に転がっていて
その中のどこに価値を見いだすかで世界の色など如何様にも変わり得るんだよ
ということくらいはもしかしたら言えたのかもしれません。
言って何が伝わるかはさて置くとしても。
posted by YUKINO MATOI at 21:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ゴシック職人

あらすじ。
乗り入れ路線も改札も人も無闇に多くて、元来がカオスのような新宿駅。
新宿駅で迷子になったことのない人間などいないに違いありません(私見)。
そんなところに工事がはじまったからさあ大変です。
中央西口はどこ?小田急線はどっち?
要所要所に警備員が立って拡声器で誘導しますが
なにしろ乱がわしい場所ですから簡単に収拾のつくものではありません。
そんなある日、誘導係を務めていた佐藤修悦さんという方が
ふと思いついてガムテープで壁にぺたぺた、と誘導サインを作成します。
特に許可も取らない自主的な行動だったそうですが
そのサインの明瞭さ、インパクト、レタリングの基本にきっちりと則った仕事の美しさ
そして素材はガムテープ、というフレキシブルさに、駅員さんが「これはいい」と絶賛。
改めて駅側から正式に制作オファーを受けるに到ったのです。

以下はアートユニット「トリオフォー」が佐藤さんに取材して制作した映像。

新宿ガムテープ道案内のこと (1/2)



新宿ガムテープ道案内のこと (2/2)


佐藤さんのフォントは現在では「修悦体」と呼ばれ
日暮里駅で現物を見ることができるのだそう。
さらに高円寺で期間限定の展示も行なわれています。下記リンク参照。

「新宿駅ガムテープ道案内」の作者実演を見た!
http://portal.nifty.com/2007/08/29/a/



佐藤さんは、高校の美術の授業でフォントについて学んで以来
普段から手書きの文字もぴしりと角張った字を書いているほどの
ゴシック体フリークなのだそう。
文字の折れや止め、払いの部分は丁寧にカーヴを切り取ってあり
配色の都合で見づらくなる文字には縁取りを施すなど
必要充分な範囲でさりげなく神経が行き届いている。
よしもとばなな氏が以前日記に書いていた
「自分の仕事がどの程度まで必要とされているのかを正しく見極めて
その上で、求められているよりも『ほんの少し』上乗せして頑張るのが
働く側も働いてもらう側も本当に良い仕事なのだ」という話を思い出す。
その「ほんの少し」の上乗せのために無理をしたり
上乗せをしたことを必要以上に意識したりすると台無しなんだけど
その点、修悦体の細やかさには恩着せがましさが全然なくて、すごく良い!

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2007年08月27日

映画版「ザ・シンプソンズ」声優変更に反対するBLOG

サザエさんやドラえもんのような長寿アニメであれば
長い長い歴史の中で声優さんが交代することも有り得ますが
「映画の話題作りとして若干プラス」程度のメリットしかない
安直な理由での声優交代は
長年この仕事を務めてきた声優さんと
その声を愛してきたファンに対する冒涜だと思うのです。
所ジョージさん演じるバズ・ライトイヤーは大好きだけれど
ホーマーは違う!違うんだよ!それは所さんの仕事じゃないよ!

米国民的人気アニメの劇場版「ザ・シンプソンズ MOVIE」の日本語版で、和田アキ子(57)所ジョージ(52)ロンドンブーツ1号2号の田村淳(33)ベッキー(23)が、シンプソン一家の声を務めることが14日、分かった。

 配給元の20世紀フォックス映画によると、「日本の理想の楽しい家庭」をテーマに声優を決めたという。父親役の所は、理想の父親を選ぶアンケートの上位の常連。和田は「芸能界のゴッドマザー」。フォックス映画は和田の起用については「素顔は愛情深くやさしい人。母親マージのキャラクターにぴったり」と説明している。

(日刊スポーツ 2007年8月15日8時23分)
http://www.nikkansports.com/entertainment/cinema/p-et-tp1-20070815-241761.html


そもそもザ・シンプソンズは「理想の楽しい家庭」を描こうとしたアニメか?



心ある「ザ・シンプソンズ」ファンの方は是非こちらにご署名ください。
http://d.hatena.ne.jp/SERIZO/20070822/1187774993

映画版「ザ・シンプソンズ」声優変更に反対するBLOG
posted by YUKINO MATOI at 03:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

母子手帳

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もらってきました。
シンプルで余計な甘さがなくて素敵。



来月で母方の祖父が喜寿を迎えるので
週末は私を除く子と孫総出で温泉一泊旅行をして祝ったそうで
初曾孫誕生予定の報せはことのほか祖父母を喜ばせたのだとか。



解り易いことが必ずしも良いことだ、とは決して思わないし
私が必ずしも母にならずとも、私が健康で幸せでありさえすれば
それを心から素直に喜んでくれる人。
私の祖父母とは、そういう人たちではあるのだが。

それでも、散々大騒ぎして家を出て大学を出て日本を出て
やや解り難く、また多分に不安定でもある進路を取った孫が
一体日々どのようにして「幸せ」であり得ているのかについては
ただ遠くから見守り信じ続けるよりほか術がなかったのではないか、と思う。

自分たちの血を8分の1ずつ受け継いだ命が
二親に望まれてもうすぐこの世にやってくる、という報せは
間違いなく彼らが私に望んでいた「幸せ」の一つの形であったに違いなく
その「幸せ」を私自身も望んでいた形で授かったことが
彼らにとってどれほど重い「幸せ」であることか。



自分の行為が誰かを幸福にしている、という実感など
そうそう頻繁に湧き得るものではありませんが
今度ばかりは、この子を授かって世に送り出すということが
どれほど人の心に光を投げかけるものなのか
ただただ身にしみて感じるばかりなのです。
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2007年08月22日

夏の別れ

面識もなく、血の通ったお付き合いこそなかったけれど
心の中に忘れ難いものを刻んでいった人が逝ってしまう悲しさは
訃報に接したそのとき直ぐにはやってこないものだ、と思いませんか?
互いを見知ることのなかった相手だけに
忘れたころ、思わぬところから
間接的に、じわりと滲み出てくる悲しさ。

阿久悠さんだって、亡くなったときよりも
『OH! スーパーミルクチャン』のオープニングが
阿久さんの手になるものだということを知ったときのほうが寂しかったよ。

河合隼雄さんだってそうだ。
お一人の著作よりも対談集などを面白く読んでいた私にとっては
後日、共著に名を連ねたお相手が
河合さんの思い出にふと触れたりしておられるのに接するほうが
ずっとずっと切ない。

そして昨日、山口小夜子さんの訃報を知る。
今はまだ「小夜子さんはもう逝ってしまった」と
頭のなかに記憶されるに留まっているけれど
いつか思いがけなくその空白に触れたとき
気づかぬうちに指先がささくれて血が滲むような痛みに
そっと彼女の不在を告げられることになるのだろう、と思うのです。


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2007年08月19日

取り越し苦労

目覚めて、錐でもまれるような深い頭痛に襲われる。
覚醒するにつれて徐々に体の異変が明らかになる。
側頭部がこれまで味わったことのない鋭さで痛むうえに
こめかみから頬、耳、顎にかけて痺れるようなピリピリした感覚。
口を開けたり咀嚼しようとすると顎にこれまた鈍い痛み。
笑おうとする。顔の左半分が軽く引き攣れる、ような気がする。



思い浮かべたのはコマ送りになった脳のスライス画像。
どこか頭の血管がやられたのではあるまいか
もしくはこれが顎関節症とかいうやつなのだろうか
今日は日曜日だから明日は医者に行くべきか
というかこの症状では何科だ?内科ではないことは確かだ、云々と
痛む箇所に指を這わせていて、ふと気づく。

首から肩にかけての尋常ならざる張りに。

同居人の体調不良には慣れているキティも、これには驚く。
揉みほぐしたくとも指で容易に圧すことができないほどに
ガッチガチ、だったので。



どうやら尋常ならざる寝違えかたをした模様で
ゆっくり昼風呂につかって温めてはそっとマッサージ
また温めてはぽきぽきと首を回す、ということを繰り返すうちに
頭痛以外はどうにか解消。
CTなど撮っている場合ではない、というのが偽らざる本音だったので
大事に到ることもなくひとまず安心。
posted by YUKINO MATOI at 23:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月17日

葉月、近況

料理する気がないときは米を研ぐのさえ億劫なくせに
料理熱が高まっているときは一日中でもキッチンにいたい。
中途半端に残った食材を一気に使い切ったり
作り置き出来るものを大量に作って小分けにして冷凍するのは
達成感と爽快感を存分に味わえてとても楽しい作業。
最近の自信作は中華まんと胡麻豆腐(胡麻をペーストにするところから作ったよ!)。



新しいものを手に入れることよりも
既に持っているものを検分することのほうに
未知のことに触れようとするよりも
既知のことを今一度確かめ直すことのほうに
より情熱を注ぐ今日この頃。
で、もし不要なものや余分なものがあったら、捨てる。
頭の中も身の回りもすっきりさせてしまいたい。
それができたらもっとずっと身軽に、居心地良くなるはず。



結局夏はほぼどこにも行かないことに。
6月にバルセロナで散財したときには
この出費のあとさらに夏を楽しむことは可能なのかと不安になったけれど
今思えば夏にこれといってあまり大きなイベントがない分
気の済むまで食べて飲んで泳げたのは幸せだったな。
posted by YUKINO MATOI at 06:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月11日

村上春樹『東京奇譚集』

ふっと時計を見上げたらちょうど2時22分で
そのあとで今日が2月22日だということに気づく、ような。
iPodでシャッフルされた曲を聴いていて
ふらりとカフェに入ってイヤホンを外したら同じ曲の続きが流れていた、ような。

私はそんなささやかな偶然にはしゃいでしまうほうなので
一番最初に収録されている「偶然の旅人」は佳品だなあ、と思っていたら
翌日、長弟の携帯から突然のメールが届いた。

1年以上顔も見ていないし年賀メールの返信も寄越さないような弟で
特に不仲ではないけれど姉に折々の便りをするような殊勝な弟では決してない。
驚きつつもひとしきりのやりとりの後、話を聞くと、具体的には言わないものの
姉に一言言っておくべき心境の変化、らしきことがどうやら起こったらしい。
何か変なものでも食ったんじゃなかろうかとか
どこぞの妙なセミナーか団体にでも感化されたかとか
弟の改心をまずそんな風にしか見られない姉が酷いのは言うまでもありませんが
もしかしてあんた、昨日「偶然の旅人」読んだんじゃないでしょうね?と
ふと思いついて、問おうとしてやめた。
「偶然の旅人」を読んで姉にメールしようという気になったのだとしたら
それこそ墓場まで持っていきたいくらいの極上の偶然だと思うんだけど!
posted by YUKINO MATOI at 00:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月09日

YouTube

眠くて仕方ない子猫




箱入り娘




老後の目標はカタルーニャ語の習得と
スペインの田舎に移住して海の見える家で猫と暮らすこと。
posted by YUKINO MATOI at 03:18| Comment(0) | TrackBack(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

微熱と鳩時計

R0013404.JPG

8月に入ってから別人のように早寝早起き。
原因の一つは7月の終わりに我が家にやってきた鳩時計。
キティの30歳の誕生日に同僚から贈られたもので
Pascal Tarabayの時計に秘かに憧れていた私としては
期せずして今住んでいる部屋の大きさに見合った時計が手に入り、嬉しい。

夜間の消灯時はセンサーが作動して鳴かなくなる、という触れ込みなのだが
問題は朝。まだ薄暗さの残る時刻から彼は目を覚ます。
5時6時ならまだ眠っていられるが7時を過ぎると寝ていられなくなる。
一度鳴いた後に木霊が入るので8時には都合16回鳴く計算。
ぱっぽー。ぱっぽー。目覚まし時計が要らなくなった。

原因のもう一つは先月からずっと続く微熱。
今までも夏に気怠い発熱がだらだらと続いたことはあったけれど
今回のはさすがに長い。
夜になるとどうしようもない全身の熱さに襲われて何もできない。
することがないので日付が変わる前にはベッドに倒れ込む。
いくら朝に弱くともそんな時間に床に着けば早くに目が覚める。
まだ熱の上がらない朝のほうが比較的体が楽なことに気づいて
午前中からせっせと働く。

心配になって病院に行きましたが
しばらくすれば収まるものみたい。
タイムリミットが決まっているぶん適度な緊張感があり
案外さくさくと仕事が進んだりして。
posted by YUKINO MATOI at 03:03| Comment(0) | TrackBack(2) | 写真付き日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月01日

世の中の全ての人間が楳図かずおを好きなわけではない

楳図さん宅:景観破壊、建築やめて 住民が仮処分申請

 漫画家の楳図かずおさんが東京都武蔵野市に新築中の自宅を巡り、近隣住民2人が楳図さんと施工業者の住友林業(東京都)を相手に、建築差し止めを求めて東京地裁に仮処分申請していたことが分かった。外壁を楳図さんが好む紅白の横じまで塗装するなどの建築計画で、住民は「閑静な住宅街の景観を破壊する」と主張している。

 申立書によると、住友林業は3月、楳図さんの2階建て住宅の建築を始めた。住民らはその後、外壁に紅白の横じまを施し、屋根に作品のキャラクター「まことちゃん」の立像を建てると聞かされた。住民側は「井の頭公園近くの緑豊かな超高級住宅地にそぐわない建物で、多数の見物客も詰めかける」としている。

 住友林業は、楳図さんの希望で屋根の上に「まことちゃん」をイメージした構造物をつくると説明した上で、「現段階では仮処分申請へのコメントは差し控えたい」と話す。楳図さんは「代理人に任せている」としている。

毎日新聞 2007年8月1日 21時35分


近所にしましまの楳図御殿が建ったら
私だったら嬉しくて嬉しくて仕方ないんだけどなー!
別に屋根に蛇女を飾ろうとしているわけではないのだし。

posted by YUKINO MATOI at 23:41| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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