2005年03月31日

チェココルナ

コルナ、というお菓子の名前みたいなチェコの通貨単位。
1コルナ=4円ちょっと。

将来的にはユーロに切り替えられることが決まっているそうで
ユーロとコルナが併記されたレシートや商品タグを時々目にする。

コルナ

コインも紙幣(使い切ったので参考画像なし)も綺麗なデザインなのに
なくなってしまうのは惜しいですが仕方ない。

仕切りを取り払っても混ざるものと混ざらないものがあるわけで
H&Mやバーガーキングが進出しても
プラハの華やかで妖しくてメランコリックな空気が変わらなければいいな、と
一介の旅行者は思う。
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あおいそらによくはえる

プラハの路面電車プラハのバスプラハの地下鉄

プラハ市内の交通機関。
基本カラーはオレンジがかった赤。
車体も車内もこの色で統一されていて
おもちゃみたいなポップさで可愛い。

よその街や国に行くと見慣れないものばかりなので何でも気になるですよ。
交通機関とか切符とかサインの類は特に。

リムジン?

こんなリムジン?も見つけた。
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馬車で行くプラハ

噂には聞いていたがチェコのビールは本当に美味しい。
ビールの美味しい国にはもちろんビールに合う食べ物もあるわけで
フライにして揚げたチーズと、オールドハムに大いにはまる。

チーズのフライは、見た目に反してあっさり味。
モッツァレラチーズを固くした感じの中身なので、意外と軽い。
旅に疲れた胃袋でもすいすい食べられます。
オールドハムは、豚の足を骨ごと丸々塩漬けにした代物を
ドラム缶のような巨大グリルにかけ大量の薪で炙るようにしながら燻したもの。
じゅぅぅと香ばしく焼けたところから
おじさんがナタのようなナイフで切り分けてくれるという
ローマイヤ先輩もびっくりのワイルドなハム。
かなり塩気が強いので、これはちょびっとでいい。
パリパリに焼けた皮と、その下の脂身が抜群に濃厚で美味。
いやはや、ビールが進みます。ぐびー。



初めて馬車なる乗り物に乗りました。
観光客向けに狭い路地でも通れるようにしてある小さい馬車なので
目線はそれほど高くありません。
どんな交通法規に準じて走っているのか
歩行者も車もみんな道を譲ってくれるのでとても快適です。
普段、道を歩く時は歩道か端っこを歩くし
道の真ん中を通るときは車に乗るわけで
頭上がオープンエアなのにこんなにゆっくり道の真ん中を走るのは
思った以上に新鮮で楽しいものです。馬かわいいし。

馬車ー。

石畳の道は揺れるので飲酒後に長時間乗るのはお薦めできませんが。
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2005年03月30日

ムハという名のホテル

プラハで予約していたホテルが手違いで満室になっており
代わりに、と手配されたのが一つ上のクラスのホテルだった。
もちろんはじめのホテルと同料金でよいとのことで
そこまでのタクシー代も持ってくれた上にワインが一瓶進呈された。
ホテルまでの道すがら、車中から観光もできて上機嫌。

着いた先はホテル・ムハ。
アルフォンス・ミュシャの名を冠したホテルだった。
名だけでなく内装もアール・デコ風で
いたるところにミュシャの絵が飾ってある。
手違いでもなければ4ツ星ホテルになどそうそう泊まれないので
広いベッドに端から端まで転がってしっかりと堪能。



夕暮れ時のプラハは川風が冷たい。
街灯は少なめで、大きな建物以外は殆ど暗く沈んでいる。
ここではきら星のような夜景は観られない。
でも一歩街に入ると土産物屋や居酒屋や怪しげな店の灯りが
細い路地の底にたくさんひしめいていて
だから遠くからはわからなかったのだ、とわかる。

チェコという国と同じように、翳りの深く漂う部分と
ひどく澄んで明るい部分とが入れ替わり立ち替わり垣間見えて
その度に心もとなくなったり勾引されそうになったり感激したりで、忙しい。
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はじめてのきゅうきょうさんけん

(↑初めての旧共産圏)



ウィーンを後にして再び電車で5時間弱。
こうして電車で移動するとドイツがヨーロッパの中では
かなり大きな国だということがよくわかる。
南北、あるいは東西に移動しようと思ったら
それだけでゆうに電車で半日はかかる、が
オーストリアもチェコも、電車で数時間あれば
どの方角に走っても国境を抜けてしまうのだ。



チェコに入ると家や街並の色彩が一気に深くなる。
全体的に古い建物が多いせいもあるけれど
陸続きでこんなにも違うのか、と思うくらい全く色合いが異なる。
ある部分はもの哀しくくすんでいるようで
またある部分は混じりけなく澄みきっているような色。
同じ隣国でも、ドイツからスイス、フランス
あるいはオーストリアに行くのとはまるで変化の仕方が違うのだ。

畑の土の色、牧草の色まで違って見える。
春の日に照らされて新緑は少し乾いて見える。
雪が溶けて水溜まりになっていると思ったら
水溜まりがいつのまにか沼になり沼から注いだ一筋が川になる。
灰色の石くれの混じった牧場で羊がもこもこと数頭かたまっている。
今日も快晴。

star-guitar

チェコの車窓から観た風景、ではなくこれはミシェル・ゴンドリー監督
ケミカル・ブラザーズ「STAR GUITAR」のヴィデオクリップ。
あっという間に通り過ぎたので実物は撮り逃したけれど
こんな風景も本当にあった。
こんなに真っ白くなかったけど。
見るたびに思うんだけどあの丸っこい塔は何に使うんだろう。
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2005年03月29日

眼鏡の紳士

RIMG0052.JPG

ウィーンの地下鉄車内にて、優先席のマーク。
わかりやすくて色も綺麗な上に一番左のおじいさんが可愛い。
バスでも路面電車でも車内のあちこちに貼ってある、ということは
優先席が多めに取ってあるのか、それとも
どの席でも必要としている人にはお譲りください、の意味かしら。
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泣き上戸

ご存知の方、多いと思いますが
普段から涙腺のゆるい纏ユキノは
酔うとさらに涙もろくなるのですね。
わぁ、始末わるーい。



小澤征爾御用達、というウィーンの和食屋が
意外と良心的な価格だったので、入りました。
こちらでJapanisches Restaurantというとおおまかに2つあって
最大のポイントは調理担当が日本人であるか否か。
他のアジア料理とひとくくりにして多国籍な人たちが作る店は
おおむね安めに食べられますが
いまいちというよりはむしろ不思議な味に仕上がっています。
一方、大きな街にある大きな日本料理店では
しっかりとお金を取るかわりに日本にいるのとまるで遜色ない食事が出来ます。

当の和食レストラン『優月』はもちろん後者で
厨房だけでなくホール担当もほとんど日本人。
席に着くとまず熱いおしぼりが出てきます。む、日本的。
地元新潟の八海山を升でオーダー。さくさくの天麩羅をぱくり。
およそ半年ぶりの日本酒でしょうか。美味しいなあ。
あれ?なんだか目頭が熱いですよ?
まだ一合目なのに、おかしいなあ。

半年ぐらい日本酒から離れていると
まさに涙が出るほど美味く日本酒が飲めることを知りました。
年々酒には弱くなる一方なのですが、ええ酒好きですとも。
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ウィーン美術史博物館

k.h.museum

瑪瑙のような濃厚な赤。鈍い光沢の金。
どこか艶かしい、白の混じった黒大理石。
様々な色のついた石と金と彫刻とで室内を飾るのは
ハプスブルク家の庇護のもと
カトリックの影響を強く受けた地域特有の色づかいだという。

ああ、クリムトの色だ、これは。
足元がぐらついて頭の芯がしびれるクリムトの色だ。



ヨーロッパ三大美術館に数えられるだけあって
行けども行けども展示室が終わらない。
ブリューゲル(父)とベラスケスの本物を初めて鑑賞。
ああ、美術の教科書で見たなぁ、これ。

そうこうしているうちに
周り全部を色大理石で囲まれて酔ったので
他の美術館にあるクリムトもエゴン・シーレも観ずに帰る。
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ここに毎日通えたらどんなに幸せだろう

Bibriothek1

壁の上から下まで埋めつくす書物、なんて
物語の中でしか味わえない光景だと思っていた。
ここは王宮の中の書物の間。

Bibriothek2

うっすらと黴くさいような匂いがたまらなく心地いい。
天窓から射す光の中に埃がキラキラ舞う。
しあわせすぎて、すてきすぎて、放心状態。

Bibriothek3

とどめに、本棚の中にかくし扉(もちろん裏にはひみつの書庫が)。
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2005年03月28日

東へ

夜行列車で旅行するのが好き、とはいっても
夜に運行している普通の列車にしか乗ったことがなかったので
初めて乗るエコノミーコンパートメントの狭さに興奮。
立って半畳寝て一畳とはよく言ったもので
二人合わせて二畳もない空間に
二段ベットと洗面台とクロゼットとテーブルがぴちっと収まった
そのミニマムな内装に関心。
狭くても横になって眠れるのならば問題なし。
ゆらゆら揺られて朝、ウィーンに到着。



快晴。石造りの街の白さが眩しい。
観光客用の馬車がかっぽかっぽと石畳の上を行き交っている。
ホーフブルク宮殿、シェーンブルン宮殿を一通り見物したあと
シェーンブルンの庭から小高い丘へ。そこからウィーンを一望。
噴水の止まった大きな池の水面にウィーンが浮かぶ光景。

暖かいせいか観光客以外にもたくさんの人が庭園で散歩を楽しんだり
お城の側を犬を連れてジョギングしたりと
美しい空間がきちんと公園として機能しているのがいい。



ハプスブルク家御用達、創業200余年、ウィーン屈指の老舗カフェDEMEL
紅茶とアップルシュトゥルーデルを食べ
あまりの美味しさに卒倒しそうになる。
なに、なんなの、このシナモンの香りのよさはっ。



私にとってウィーンのイメージは分離派とオペラと小澤征爾で
華やかで少し退廃的な翳りのある音楽の都だと思っていたのですが
イースターから明けたばかりのウィーンは
思いのほか小さくてこざっぱりとして風通しの良い街でした。
もっとずっと落ちついていて、穏やかで。
なのに一歩、城や美術館に入っただけで空気の色が変わります。
決して重くも強くもないけれど、確かに力を感じさせるもの。
体との境界が震えるような振動を感じるのです。



次の日、ウィーン美術史博物館で酔ってへたりこみました。
比喩でもなんでもなく、確かに、酔いで目がぐるぐる回ったのです。
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2005年03月27日

ラララ ラララ

フライブルクにもちゃんと桜の木があって
早い木はもう満開に近い。
一面の桜とまでは行かなくても、見上げると目を覆うような桜。

なんだか安心する。正しく春を迎えられている気がして。

そしてつじあやの上野公園お花見ライブに行きたい今日この頃。
最後に上野公園に行ったのっていつだったろう。
桜の季節ではなかったような。



そう、うららかさんことつじあやのの『桜の木の下で』を聴いたとき
最初わたしはお彼岸の歌だと思ってしまったのだった。
君の隣で、桜の木の下で眠っていたい、そしていつかこの場所に花が咲く。
それはつまり、そういう歌だと、解釈してしまったのだ。

西行法師じゃないけど。
桜の木の下で、日向の土の暖かさが感じられるようなところで眠っていられたら
それがただの昼寝だとしても、二度と覚めない眠りでも
幸せで幸せで満たされて涙が出るほど切なくて
365日ずっと桜の下にいられたらいいのにと思うくらいに桜が好きなのです。



さて、しばらく東に旅をしてきます。
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2005年03月26日

卯と卵が似てることとはもちろん、関係ない

イースターを迎えたドイツの街は
ウサギグッズとタマゴグッズであふれています。
ちょっと真面目に調べてみると、今年の場合(カトリック)は

24日 聖木曜日(最後の晩餐が行われた日)
25日 聖金曜日(キリストが処刑された日)
26日 復活徹夜祭(復活祭の前日を徹夜で祝う日)
27日 復活の主日(復活祭当日)なのだそうで、
今は土曜日の深夜ですが確かに遠くから鐘の音が聴こえてきます。
みなさん徹夜してるのでしょうか。

復活→誕生、の連想で、タマゴ、というのはわかるのですが
どうしてウサギなんだろう?と思ってGoogleに聞いてみても
「春になると野ウサギが出てきて跳ね回るから」
「ウサギは多産だから」
「茂みでタマゴを探していたらウサギのいるところにタマゴがあったから」
などなど微妙な理由が出てくるばかりです。

ともあれ街はウサギとタマゴでいっぱいです。
このタマゴがまた、チョコエッグならまだいいのですが
10個パックのゆで卵に着色したものなどとてもとても食指が動かないほど
色が非常に激しい。可愛いピンクや水色などでは決してないのです。
真紫やどピンクなのは一応殻だけとはいえ、その色柄は本当にどうかと。

同じく、ウサギもぬいぐるみや置物程度ならいいのですが
チョコレートで作られたウサギ。これまたちっとも可愛くないのです。
バッタ物のバックスバニーみたいなのやらシシ神みたいな顔のやら
リアル過ぎる上に大きさまで実物大(チョコ菓子ですよ?)のやら
やっぱり食べる気がしません。

全部が全部なわけではなく、繊細で愛らしいのも中にはあるのですが。
悪貨良貨を駆逐す、でしたっけね?



例えばニワトリのような、タマゴを連想させるものも便乗。
が、しかしこのカリメロはカリメロを名乗るのが許せないほどかわいくないっ。

カリメロ

(ご多分に漏れずでっかい)
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2005年03月24日

桃井かおりと稲中パンダ

日本の友達が『装苑』3月号と『FIGARO』2/20号を送ってくれて、大感謝。
『装苑』に関ジャニ(そんな人たち知りませんよ?)が進出したことに、大ショック。

自分の好みが変わるという以上に
デザイナーの趣向が変わってガッカリ、ということはよくあって
日本人デザイナーの場合は特にそうだと思うし
私は常に新しいものを開拓することをあまり好まないので
(LIMI feuが化学繊維とか色柄ものに走ると「えー」とか言っちゃうくち)
なおさら「このデザイナーが好き」「ここの服が好き」と言いづらくなるのですが
G.V.G.V.はその中にあって安定感と新鮮さのバランスが良いので
今回の2005S/S東京コレクションもとても好感触。

この手の雑誌は目にはとてもご馳走になるものの
「戦略的なコレクション展開」
「常に時代の流れを生み出すデザイナー」
とかの文言を読んでいると
自分は服を作ることによって一体何をしようとしているのかと
真面目に考え込んでしまいます。
そういうことがしたいのではないのです。
私が服を使ってやりたいのはもっと全然別のことなのです。



DRESS CAMPの話。
岩谷俊和氏の手がけたセレブのウエディングの模様が装苑に掲載されていて
今まで別段興味もなかったデザイナーなのですが
クラシックなデザインの服を宝塚の衣装みたいな方向にデフォルメさせると
この人はなかなか素敵な服を仕上げるのだということを発見。
ゴブラン織りとか、フリフリのドレスの袖とかの使い方がとても上手い。

が、見開きでどーん、と紹介されているDRESS CAMPのウエディングよりもなによりも
胸元の空いたドレスの上にタキシードのジャケット
そして素肌の上にはサテンのネクタイ、で決めておられた桃井かおりに纏ユキノはくらくらです。
あなたになら一生ついてゆきますー。

しかしセレブの結婚式ってなんでもアリなんだな、と思いました。
何がすごいって、世界のニナガワを稲中パンダの背に乗せて
ヴァージンロードを歩いた、もとい運転した新婦・蜷川実花がすごい。
ペーペーポーペーペポポー。
お幸せに。
posted by YUKINO MATOI at 07:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月23日

姫君の王国

吉本ばななは平仮名になってからずっと読んでいなかった。

すこやかに生きるということは、自分で自分の住む世界に境界と規範を作って
美味しい食べ物や温かな眠りや大切な人との営みを繰り返し慈しみながら
大きく緩やかな世の流れに身を委ねて泳いでゆくようなもの。
ばななの物語に出てくる人たちは基本的にそのように暮らしていて
時々人とは違う能力を授かったり、道ならぬ恋に落ちたりしながら生きている。



街の観光案内所には日本人向けに日本の書籍を置いている小さい図書コーナーがあって
ここに暮らしていた日本人が帰国の時に置いて行ったりしたものを集めた場所なので
いろいろ偏っているし読みたい本ばかりではもちろんないのだけれど
ここでそれを言うのは贅沢というものだ。活字中毒者にはあるだけでも有り難い。

久方ぶりによしもとばななの『王国 その1 アンドロメダ・ハイツ』を手にとる。

先に書いたよしもとばななの世界観は前書きでほとんど語り尽くされていて
それを揺るがすような大きな事件も異変も起こらないまま
大きな字、行間広めの134ページはあっという間に過ぎてしまう。
「なんということのない」「ちょっとゆがんだおとぎ話」であり
「神様から見ればいくつになっても幼い」「守られている女の子の生き方の物語」。
彼女と、彼女を取り巻く小さな王国の物語。



古くて清潔な家で暮らすとか、行きつけの居酒屋のおじさんおばさんと仲良くなるとか
視力の弱い知的な占い師のアシスタントをして生活の糧を得るとか
そういう事柄で囲まれた生活はとても魅力的で静かで穏やかで、暖かい。

エルフの隠れ里のようなイメージ。限られた種族だけが住む聖域。
とても純粋で美しいけれど、純粋すぎて居心地はあまりよろしくない。
純粋さとか、人智の及ばない世の摂理とか、そういう「力」が
今までにないほど前面に出されている気がするのも
どこか宗教絡みの啓発モノのようで読み心地がよろしくない。
そういう「力」をもっとさりげなく書こうと思えば書ける人なのに。

なにより、王国での生活は、「年寄りみたい」で「出過ぎたところのない」
偏屈で退屈で、そして実はとても脆い日々の上に成り立っている。
そんなところにひきこもるのは休憩したいときだけでいいと思うのですが。

とはいえ、王国の人々が生きることにとても忠実で切実である姿を見ていると
こちらもなんとなく安心するというか、落ちつくというか
お茶でも入れて一休みしますかねぇ、なんて気になるのもまた事実。



あ、リトマス試験紙になるんじゃないかな、この本。
読んでみても和むような気分にはなれない時には
世間の波に揉まれてもう一踏ん張りしてこいってことで。


posted by YUKINO MATOI at 20:12| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月22日

急に春が来た

ついこの前まで雪が降っていたと思ったのに
旅から戻って風邪で寝込んで、起きて外に出たら春になっていた。
ある朝起きて窓を空けたら寒くなくなっていた。
三寒四温どころかたったの一晩で冬が終わってしまった。
posted by YUKINO MATOI at 19:26| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月14日

世界遺産の街

旅先でいい具合に財布の紐が弛んでいる所へ
これまた具合にガラクタ市が立っているのに遭遇したりするわけです。
一針一針、気の遠くなるような手間をかけて編まれたであろうレース。
おそろしく手の込んだピンタックのエプロン。
街の小さな美術館の衣装室にも
一体どうやって編んだのか想像すらつかないほど繊細なレースが。



大切なものを誇りはするけれど誇示はせず、喧伝もせず、飾り立てもせず
ただそれがそのままであることを願ってそっと静かに慈しむような。
そういう心のありようはとてもドイツ的で、ドイツの美点の一つだと私は思っている。



ヒルデスハイムの街には世界遺産に指定された大聖堂がある。

ヒルデスハイム

街に着いても地図を見てもどこに教会があるのかさっぱりわからず
交差点の案内書きでかろうじてそれとわかる程度。
入り口にも小さくユネスコのマークが書かれているだけ。
かつて司教座が置かれていたとは思えないほど、街自体も、大聖堂もとても小さい。
他の比較的新しい教会のほうがよほど大きくて目立つ。

石垣に囲まれた坂道をぐるりとのぼり
辿り着いた先に、ひっそりと低めの鐘楼が立つ。
夕暮れも近く、つましい大聖堂には誰もいない。
灰青色の空。湿った空気。
中庭で、樹齢約千年というバラの巨木が小さな実をたくさんつけていた。
自分の足音以外、何もきこえない建物の中。
穏やかで静かで冷ややかで、固い壁で外界と隔てられた空間。

ここで眠りにつく人は、本当に、このまま密やかに眠り続けて
いつか再びこの庭で目覚めることを信じて瞼を閉じたのだろう。
緑の濃い花輪で飾られた墓石。千年の花の咲く寝所。
posted by YUKINO MATOI at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 旅のことードイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月13日

笛吹き男の街(続き)

笛吹き男

ハーメルンでは地面に小さなネズミの絵が点々と続いていて
ネズミを追いかけてゆくと市内の観光名所を1周できるようになっている。

karstadt

KARSTADT(ドイツ中どこにでもあるデパート)もハーメルン仕様。

悪天候のため市内にはほとんど人の姿がない。
おやこんな日に酔狂な、と言わんばかりの目で見られる観光客1名。



vodafone
マック

ドイツといえばおなじみの木組みに白漆喰の家並がこのあたりには本当に多い。
ボーダフォンやマックは、あくまで元の風景を壊さないように大人しくしている。

南のほうと違うのは、木組みの梁や柱にさらに色付きの彫刻が施されていること。
花の文様、家紋、ラテン語の警句、などなど、見ていて
ドイツ南部だと窓辺にプランターを吊るして花を植えたりするけど
こちらは冬でも目に楽しい。いや、冬が長い地方だから
花のない季節でも美しく見えるようにしたのかな。

木組みの家

こちらはブラウンシュバイクという街の家。

木組みの家アップ

石造りの家には絶対にない種類の、厚みのある艶。
美しいなー。
posted by YUKINO MATOI at 14:03| Comment(1) | TrackBack(0) | 旅のことードイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

笛吹き男の街

相方がハノーファーのメッセで通訳のバイトをしています。
便乗して北にやってきました。
まさにちょうど旅がしたくてしかたない、旅を必要とする時期だったので
(ていうか学校で行き詰まっただけ…)
相方は連日仕事、なれど私は大変に楽しゅうございます。



連日悪天候でみぞれと強風。
旅日和ではないけれどさして悪くもない。
風力発電機の列を見ながらハノーファーから各駅停車。
40分で笛吹き男の街、ハーメルン。

ちなみに『ハーメルンの笛吹き』は
ドイツ語では『ハーメルンのネズミ捕り男』と呼ばれています。
子どもを連れ去ったことは不問に付されているのでしょうか。

今までに見た中で一番「かわいい」街かもしれません。
ドイツ風の木組の家に装飾が施されていて
メルヒェンの世界に迷い込んだような街、というのをリアルに体験できます。

もちろん街は笛吹き男グッズとネズミグッズでいっぱいです。
posted by YUKINO MATOI at 07:31| Comment(1) | TrackBack(0) | 旅のことードイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月11日

旅に出ました

木金の授業をぶっちぎって夜行列車で北上すること7時間
列車の中ではまるで眠れず、着いたのは北の地ハノーファー。

夕方のフライブルクで旅の装備にスカートとブラウスを買い
ハノーファーで着くなりまず駅構内で一番大きなスタンドに入り雑誌を購入。
ドイツでNumeroを買うと日本で買うよりも高いことに腹を立て
なんで12ユーロもするのかしらと思いつつ結局ドイツ語の雑誌を数冊
13ユーロほど買ってホテルへ向かう。あれ?

続く。
posted by YUKINO MATOI at 16:54| Comment(1) | TrackBack(0) | 旅のことードイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月09日

政治と宗教と野球の話は止めておけとはよく言ったもの

『亡国のイージス』映画版は、「本書に感銘を受けた防衛庁」
の全面協力のもと制作されるそうですが誰が協力しようと決めたのか。
主語が、防衛庁になっていたのです。
『亡国〜』を読んで感動したのは防衛庁の誰なのか。
内容が内容なのでしみじみと噛み締めた隊員の方々も少なくなかったとは思うが。
アンケートとか、取ったのかしらん。副読本として自衛隊員全員に配るとか。

誰がどうやって決めているのか知らないことが多すぎる。

日本の小〜高校で使われる教科書については毎度毎度あれほど物議を醸すのに
日本語を学ぶ外国人向けの教科書、あるいは観光パンフレットについて
誰も何も気にしないのは何故だろう。
日本とはこういう国ですと説明するツールの最たるものであるはずなのに。
つまり、充分にプロパガンダとして機能し得るメディアであるはずなのに。



議論好きで、議論の種を蒔くのが好きで、そして明確な意図を持つのが好き。
そういう人たちが作るドイツ語の教科書だからかどうだか
今期使ったテキストを読むと自己紹介、部屋探し、職探し、から始まって
ドイツ史やドイツ文化、ドイツ社会の諸問題まで一通り触れるようになっている。
外国人に対して、ドイツはこういう国ですよ、というのをまず押さえた上で
ディスカッションの種になるようなポイントがいくつか提示されていて
でも、私、ディスカッションて元々とても嫌いなのですよ、はい。
意見をまとめたり打開案を出すための議論じゃなくて
白黒どっちかに決めなきゃいけないタイプのゲーム的なディスカッションは特に。

ついでに言うとみんな所詮初級クラスなので語彙も足りなければ言葉遣いも荒い。
私も含めて全員、大人の議論が出来るレベルじゃないのです。
だから、それ間違ってるとか、それはおかしいとか、それは悪い考え方だとか。
「日本人のくせにそんな考えでいいのか」
「日本人なのになんでそんなことを言えるのか」
「お前日本人じゃないだろう」とか。

そうそう、ほんのちょっと、軍備とか自衛隊とかの単語を出しただけで
ネオナチを見るかのような目でどえらく責められて参りました。
お前はジョン・レノンとヨーコ・オノを知らないのか?と。

ああ、今日の日記は素晴らしく愚痴っていますね。すみません。



話が合う人だけで議論するのもベクトルが違いすぎる人が議論するのも
議論の基本となる最低限のことが了解できていない同士で議論するのも
みな同じように不毛だと思いました。必要なことだとはいえ。

答えにつまっているのか、答えはあるけれど言葉が追いついていないのか
反論できないことには変わりがないので
言い返せなかった私はとんでもなく阿呆に見えていたに違いありません。

あー、悔し。


posted by YUKINO MATOI at 08:07| Comment(3) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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